ジャガイモのきた道 の商品レビュー
ジャガイモに関する歴史や地域別の栽培方法の違いなどを楽しく知ることができた。 ジャガイモが文明の発展にこんなに強く関係しているということを初めて知った。 人間にとって食料の安定した生産は生命維持にとって非常に重要であり、安定しているという安心感が発展には必要なのでと感じた。
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2012 9/11流し読み。聖学院大学図書館で読んだ。 レファレンスの演習で、じゃがいもの芽にはなぜ毒があるのかを調べる問題に皆さんが苦戦していた+ちょうどじゃがいもの芽の食中毒のニュースがあり、その解説ブログ記事で本書が紹介されていたことで手にとった。 じゃがいもの故郷・アンデ...
2012 9/11流し読み。聖学院大学図書館で読んだ。 レファレンスの演習で、じゃがいもの芽にはなぜ毒があるのかを調べる問題に皆さんが苦戦していた+ちょうどじゃがいもの芽の食中毒のニュースがあり、その解説ブログ記事で本書が紹介されていたことで手にとった。 じゃがいもの故郷・アンデスにはじまる、じゃがいもの歴史の概説書。 「なぜ」芽に毒があるのかについては、そもそもじゃがいもの野生種は芽に限らず毒を持っている、という驚きの答えを知る。 それはいも部分が動物に食べられるのを防ぐためで、昔はじゃがいもは毒抜きをしないと食べられなかった(いまでもアンデスで栽培されている中には毒抜きが必要な種もある)。 それが栽培化によって、(おそらくは)有毒成分の少ないものを選ぶことが繰り返されたことで毒性が弱まったのが現在、食べられているじゃがいもである・・・と。 つまり「芽に毒がある」というよりは「芽以外の部分の毒が薄まった」というのが正しく、しかしじゃあなんで芽だけ残ったのかはよくわからず。今後の課題としたい。 目当ては毒性・起源に関する話だったわけだが、他の章もとてもおもしろかった。 ビタミンも含むしポテトチップスやフライドポテトにしない限り(カロリーが増えるような調理法をしない限り)カロリーだって異様に高いわけではなく、食品としても優秀・・・というじゃがいもは凄いとか思ったり。 じゃがいもを食べよう。
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米 v.s. 麦 v.s. 芋 主食の違いは、文化の違いだろうか。 日本では、ありとあらゆる食事が取れる。 世界の多くの国でも、 米 v.s. 麦 v.s. 芋 の食事が取れる。 食べ物から始まる文化の根は、どう伝わってきたのか。 これからどう伝えるとよいのだろうか。 農業が産業として成功するヒントが得られるかもしれない。
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ジャガイモが文明を築いた。 少し飛躍的とも思える理論だが、この後に挙げられる飢饉と戦時中の活躍を考えるとうなずきたくなってしまう。 食料採集文化から食料生産文化への移行によって移動が必要なくなり、時間ができ、人口が増えて文明が起こるというのは常識…だったのか? すごく勉強になっ...
ジャガイモが文明を築いた。 少し飛躍的とも思える理論だが、この後に挙げられる飢饉と戦時中の活躍を考えるとうなずきたくなってしまう。 食料採集文化から食料生産文化への移行によって移動が必要なくなり、時間ができ、人口が増えて文明が起こるというのは常識…だったのか? すごく勉強になったのだが。
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[ 内容 ] 栽培面積では全作物中、第四位のジャガイモ。 南米で栽培種として誕生した後、どのようにして世界中に広がり、人々の暮らしにどんな影響を与えてきたのか。 アンデスの農耕文化を中心に、四〇年にわたってヒマラヤ、アフリカ、ヨーロッパ、日本で調査を続けてきた著者が、ジャガイモと人間の関わりに秘められた歴史ドラマをつづる。 [ 目次 ] はじめに ジャガイモと人間の壮大なドラマを追って 第1章 ジャガイモの誕生-野生種から栽培種へ 第2章 山岳文明を生んだジャガイモ-インカ帝国の農耕文化 第3章 「悪魔の植物」、ヨーロッパへ-飢饉と戦争 第4章 ヒマラヤの「ジャガイモ革命」-雲の上の畑で 第5章 日本人とジャガイモ-北国の保存技術 第6章 伝統と近代化のはざまで-インカの末裔たちとジャガイモ 終章 偏見をのりこえて-ジャガイモと人間の未来 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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「芋で文明は生まれないのか?」という著者の疑問から始まり、ジャガイモの起原、ルーツが描かれていく。 じゃがいもは世界を救った。 そして今後も救っていく。のか? ・雑草の認識 雑草とは、人のいない森には存在しない。人間が撹乱した環境のみに適応し、人間に随伴している植物のこと。じゃがいもは、雑草だったのだ。 人の住む人間臭いところに生え、はじめはただ採取されていたのが、アンデスで栽培されるようになり、世界中に広がっていった。 ・じゃがいもの種 メイクィーンも男爵も、世界各地で栽培されているほとんどのじゃがいもは、アンデスで生まれたトゥベローサム種に由来し、分化した品種。 あんなに違う、メイクィーンと男爵が元は同じものだったとは驚き!! ちなみに、男爵芋は、明治40年に函館郊外に農場を持つ川田龍吉男爵がアメリカから取り寄せた「アイリッシュコブラー」を栽培し、広めたので男爵いもとなった。
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よくみんなが様々な形で口にしている食材のジャガイモはアンデス山脈が発祥地というのは意外だった。昔、ジャガイモは毒を持っていたため食べられるものではなく、食べても大丈夫なように加工したり、毒のない品種のジャガイモを作っていたのに一番驚いた。もし、ジャガイモの栽培が普及してなかったら...
よくみんなが様々な形で口にしている食材のジャガイモはアンデス山脈が発祥地というのは意外だった。昔、ジャガイモは毒を持っていたため食べられるものではなく、食べても大丈夫なように加工したり、毒のない品種のジャガイモを作っていたのに一番驚いた。もし、ジャガイモの栽培が普及してなかったら、世界の食文化は大きく違っていたんだろうなと思った。
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なかなかおもしろかった。 個人的にインカ帝国すきだからな。 食料問題とか、色々考えさせられる。
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付箋つけた箇所4つ。 ジャガイモのあるところに飢饉はないと思っていたが、ジャガイモがあったために飢饉になったところがあることを知って驚いた。19世紀アイルランドでは、ジャガイモが食料の主となった。しかし19世紀中頃、生産量の9割のジャガイモが疫病により育たなくなってしまった。そ...
付箋つけた箇所4つ。 ジャガイモのあるところに飢饉はないと思っていたが、ジャガイモがあったために飢饉になったところがあることを知って驚いた。19世紀アイルランドでは、ジャガイモが食料の主となった。しかし19世紀中頃、生産量の9割のジャガイモが疫病により育たなくなってしまった。そのため、ジャガイモに依存していことが祟り、人々の食べるものが無くなり、大飢饉となったと書かれていた。 ヒマラヤの麓にいるチベットのシェルパ族は、ヒマラヤ登山解禁により登山客にジャガイモを売ることできるようになった。それにより彼らは現金収入を得ることができるようになり、そのお金で牛を購入し生活が豊かになった。と書かれていた。牛を購入するという節は、豊かさとは何かを考えさせられたので、眼に留まった。 北海道の開拓でジャガイモが盛んに作られていた頃、ジャガイモからでんぷんを取り、そのでんぷんを売っていた、という記述を見て驚いた。でんぷんを売るという発想は知らなかったからである。昔の人の方が知恵があったと言われる点は、こういうところから来るのだなと感じる。 アンデス地方で、なぜ高度差を利用してまで耕作がなされるかというと、天候の異変や病害虫の発生などにより壊滅的な被害を被る可能性を最小限に抑えるためだということがわかった。
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「イモは文明を生まないのか?」。アンデスの農耕文化を中心に、ヒマラヤ、アフリカ、ヨーロッパ、日本で調査を続けてきた著者が、ジャガイモと人々の暮らしとの関わりを解き明かし、壮大な歴史ドラマを綴る。示唆されるのは、来る食糧危機を救う、ジャガイモに秘められた可能性だ。 野生のジャガ...
「イモは文明を生まないのか?」。アンデスの農耕文化を中心に、ヒマラヤ、アフリカ、ヨーロッパ、日本で調査を続けてきた著者が、ジャガイモと人々の暮らしとの関わりを解き明かし、壮大な歴史ドラマを綴る。示唆されるのは、来る食糧危機を救う、ジャガイモに秘められた可能性だ。 野生のジャガイモは毒だという。アンデスではジャガイモを野天に広げ、夜間は凍結、昼間は解凍し、膨潤したところでリズミカルに足で踏みつけ、よく水分を流出させ、再び野天にさらして乾燥させていたそうだ。いわゆる「毒抜き」である。このコルク状の乾燥イモは「チーニョ」と呼ばれ、貯蔵と輸送に便利な加工品となった。長い間人々が毒と戦い、試行錯誤を重ね、畑で栽培可能種として開発したジャガイモこそ、山岳文明を生んだ作物に違いない。著者は、「アンデス文明はトウモロコシ農耕を基礎に成立、発達した」という通説に疑問を投げかける。スペイン人を驚嘆させたインカ帝国の農耕技術、「ヒマラヤ・雲の上の畑」で起きたジャガイモ革命…解明の旅が鮮やかに持論を裏付けていく。南米からやがてヨーロッパ、日本と世界に広がっていったジャガイモ栽培。その歴史ドラマの中に、飢饉や戦争に強いジャガイモの底力、可能性が見えてくる。東京の食糧自給率はもはや1%。今こそ、ジャガイモのきた道を辿って、その可能性を探ってみるべきだ!(S)
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