裁判員法 の商品レビュー

船山泰範,平野節子【著】

2012/12/22

(2012.12.21読了)(2012.12.10借入)
裁判員裁判が始まって3年ぐらいになるのでしょうか？選挙権のある人が裁判員に選ばれるということですので、選ばれる確率は低いとはいえ、可能性がないわけではありません。
ということで、ミステリーを読んでいても、犯人は、裁判になったら何の罪に問われて、どれぐらいの刑になるのだろう、とか考えてしまいます。
この本では、裁判員の役割、裁判のしくみ、犯罪とは、刑罰とは、等わかりやすく解説してあります。｢図解雑学｣シリーズですので、見開き2頁の左側に解説、右側に説明のための図や表、グラフなどが掲載してあります。

【目次】
はじめに
第1章　裁判員に選ばれた！
第2章　裁判員が扱う事件はコレだ！
第3章　これだけは知っておこう
第4章　刑事裁判が必要なわけ
第5章　どんな場合に犯罪となるか
第6章　刑罰とはどんなもの？
第7章　裁判を傍聴しよう
裁判所はココにある！
索引

●裁判員候補(14頁)
裁判員は、基本的には、衆議院議員の選挙権を持っている人、つまり20歳以上の日本国民の中からくじで選ばれるのです。裁判員として選任されるまでには、大きく分けて、①裁判員候補者として呼び出されるまで、②裁判当日、候補者の中から裁判員として選任されるまで、の2つのステップがあります。
(裁判員候補者として呼び出される前に、裁判員候補者名簿に記載されたという通知が来ます。)
●日当、旅費、宿泊料(30頁)
裁判員には、昼食代などに当てる日当、旅費(交通費)、宿泊料が支払われることになっています。
●対象となる事件(52頁)
裁判員裁判の対象となる事件は重大な犯罪に限定されています。すなわち、①法定刑に死刑・無期懲役・無期禁固がある犯罪事件、②合議体で扱うべき事件のうち、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた犯罪事件です。①の例として、強盗致傷罪、殺人罪、②の例として、危険運転致死罪、傷害致死罪があります。
●実施場所(58頁)
裁判員裁判を行う地方裁判所は、全国50か所ある地方裁判所に10か所の支部を加え、全国60か所になりました。
●告訴と被害届(100頁)
犯罪被害にあった時は、原則として告訴すべきです。警察は、｢被害届を出しますか｣とたずねてくるかもしれません。被害届では、警察に捜査開始の義務はないので、他の事件に紛れてきちんと捜査しない可能性があります。
告訴：犯罪の被害者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求めること。
●アメリカ(124頁)
アメリカの陪審裁判では、一審で無罪になったときは、検察官は控訴できず無罪が確定することになっています。
●犯罪(148頁)
どんなに許しがたい行為であったとしても、刑法に規定されていなければ、法律上は犯罪とはならないのです。
●犯罪と食事(182頁)
アメリカのある学校ではジャンクフードやお菓子、ジュースをランチに出していたのですが、あまりに犯罪的行為をする生徒が多いので、試しにジュースの自動販売機を撤去し、給食を野菜中心のメニューに変えてみたそうです。すると、3か月もしないうちに子供たちが落ち着いてきて、半年もすると子供同士のいざこざはほとんどなくなったそうです。

☆関連図書(既読)
「あなたが裁く！「罪と罰」から「１Ｑ８４」まで」森炎著、日本経済新聞出版社、2010.11.05
(2012年12月22日・記)