竹内浩三詩文集 の商品レビュー
飾りがなくてかわいい言葉たちなのにしっかり重みがある。 戦地から無事帰ってきていたら・・・と何度も思う。
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昔から短気な性格だった。怒りや悲しみ、喜びは、心から透けるようにして表に出てった。言葉は、感情だった。一方的で迷いのない。けれども不適格な。表に出て行った言葉たちは、戻る場所を探している。いつまでも。戻ることはない。戻ることを望んでも。 僕は、そうやって詩と出会った。言葉の、...
昔から短気な性格だった。怒りや悲しみ、喜びは、心から透けるようにして表に出てった。言葉は、感情だった。一方的で迷いのない。けれども不適格な。表に出て行った言葉たちは、戻る場所を探している。いつまでも。戻ることはない。戻ることを望んでも。 僕は、そうやって詩と出会った。言葉の、迷いのない不適格さを知っていた。それでも心から透けていく言葉、つまり感情は抑えることは出来ない。言葉は、どこかを目指している。どこかの心へとたどり着こうと。ノートの片隅、手紙、写真の裏に束ねられた言葉の群れ。僕は、それらを詩としか呼べない。 竹内浩三は有名な詩人として世に名を残してはいない。そもそも、詩人など有名であるわけはないのだ。ただの言葉が、文学的だの、英雄的だの。言葉は独り歩きする。正義を呼び止めようとする。それでも、所詮は一方的な感情でしかない。憧れに過ぎない。 僕は思うだろう。彼がペンを持った意味を。けれど、彼には意味など存在はしない。意味を越えていく。傷跡のように手紙には詩が残される。僕は、そう思う。僕は詩を読む。一方的な感情を。震えるようにして読み進めるだろう。文字の輪郭が失われる。彼の線が紙にしみていく。 白い雲が 秋の空に 音もなく とけて ゆくように 竹内浩三ー「山田ことば」
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昨夜夜中の3時ごろから読みだした。 後半は涙が止まらなかった。 姪にあてたハガキには、人生についての真理が全てつまっていると思った。 【2008年6月5日読了】 今も尚ときどき読み返す。 この本に出会って良かった。 【2010年10月22日追記】
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