文庫の整理学 の商品レビュー
稀代の愛書家である著者が、歴史や経済、文化などのさまざまなジャンルにおける文庫本を紹介しています。 1985年に刊行されているので、紹介されている本が古いことはしかたがないのですが、もうひとつ注意しておくべきなのは、本書はそれぞれの学問分野の入門書を提示することが目的ではないと...
稀代の愛書家である著者が、歴史や経済、文化などのさまざまなジャンルにおける文庫本を紹介しています。 1985年に刊行されているので、紹介されている本が古いことはしかたがないのですが、もうひとつ注意しておくべきなのは、本書はそれぞれの学問分野の入門書を提示することが目的ではないということです。かつて文庫本は、古典や名著が中心でしたが、80年代からそれらの比重が下がり、実質的な意味での新刊書が主流になってきたと著者は語っています。それにともなって、現代社会を生きていくのに求められる情報を広く提供するような性格のものと、エンターテインメントの二つの方向に分かれたといい、本書では前者にあたるものがとりあげられています。 たとえば歴史の本に梅原猛の『隠された十字架』や吉田武彦の『「邪馬台国」はなかった』が、日本人論では山本七平のさまざまな本が、あげられています。おそらくこれらの本で説かれている説は、現在のアカデミズムでは支持者はすくないと思われますが、それぞれのジャンルに興味のある読書人がたのしめるようなラインナップということができるかもしれません。そうした点に考慮すれば、現在でも有益な内容を含んでいると感じました。
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筆者の読書量はジャンルを問わず、半端ない。私も早くこのレベルになりたい。もっともっと読書しないとな。 それにしても文庫本って日本が生んだ凄い画期的な本の体形だと思う。 経済学が必ずしも実際向けの学問である必要はないが、少なくとも経済書は現実的な用途から読まれる。未来ということを...
筆者の読書量はジャンルを問わず、半端ない。私も早くこのレベルになりたい。もっともっと読書しないとな。 それにしても文庫本って日本が生んだ凄い画期的な本の体形だと思う。 経済学が必ずしも実際向けの学問である必要はないが、少なくとも経済書は現実的な用途から読まれる。未来ということを問題にするバイも、ごく近い将来がターゲットになる。 しかし、若い人たちで、これからいろいろなものを吸収しなければならないのに、本を買わない人たちが増えてきているのはまことに残念な話だ。 高級車に乗っているからといって、必ずしも高級な人間とは限らないが、低級な車に乗っておるやつはまず確実に低級だと思って間違いないんだ。 死の自覚のない文明は、はたして健康な文明であろうか。 文庫本は読書の入門用とされていた。広く浅いからである。
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