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新解さんの謎 の商品レビュー

3.9

32件のお客様レビュー

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2024/08/18

辞典だって人間が作ってるんだ。 そんなの当たり前のことなのに 改めて思い知らされる 辞典が好きになる小説。

Posted byブクログ

2021/11/12

『よの なか②【世の中】①同時代に属する広域を、複雑な人間模様が織り成すものととらえた語。愛し合う人と憎み合う人、成功者と失意・不遇の人とが構造上同居し、常に矛盾に満ちながら、一方には持ちつ持たれつの関係にある世間』―『見えてきた新解像』 残念ながら新明解(新明国と略すのが公式...

『よの なか②【世の中】①同時代に属する広域を、複雑な人間模様が織り成すものととらえた語。愛し合う人と憎み合う人、成功者と失意・不遇の人とが構造上同居し、常に矛盾に満ちながら、一方には持ちつ持たれつの関係にある世間』―『見えてきた新解像』 残念ながら新明解(新明国と略すのが公式らしいけど)を使う人ではなかったけれど、新解さんの謎が世間で耳目を集めていたのは知っていた。曰く、引くのではなくて読む辞書。そうは言うけれど今のように誰もがゲーム機やスマートフォンで遊んでいなかった頃、中学生くらいになって自意識が過剰になってくると、辞書の言葉の定義をあれこれ調べて遊ぶなんてことは案外と皆がやっていたもののような気がする。例えば「右・左」問題など、誰もが一度は確かめたのではないだろうか。中学・高校と使っていた岩波にはそんな遊びの痕跡が幾つか残っている。 「辞書は、引き写しの結果ではなく、用例蒐集と思索の産物でなければならぬ」と高らかに宣言するくらいなので、確かに新解さんには用例が多いし、右を調べてみたら「左の反対」などとはぐらかされることが無いように、多少踏み込み過ぎている位の言葉の説明がある。そこに編集者の個性が色濃く出ているので、本書の「新解さん」とはさしずめその編集主幹である山田忠雄のことということになるのだろう。大正5年(1916年)生まれの山田の言葉の根幹に迫る動機は学者としての情熱という真摯なものであるのだろうけれど、時代の中で編集者自身に染み付いている価値観までは拭い切れず、今、旧版の新明解を読むと彼方此方からクレームが入りそうな表現もある。バブル景気が崩壊し剣呑な雰囲気が世の中に漂い始めた頃、だが未だコンプライアンスだの自粛警察だのという言葉が人口に膾炙していない頃、千円札裁判や櫻画報など世の中の常識を疑う視点にこだわる赤瀬川原平が、当時既に怪しい雰囲気を醸し出していた新明解の語解釈を面白がる文章を書き記せたのも、振り返って見れば時代の要請ということであったのかも知れない。 もちろん、その赤瀬川に「新解さん」についての文章を書かせた「SM嬢」(あとがきには鈴木眞紀子氏と紹介されるがその後夏石鈴子名義で作家として活躍)が居たからこそ、という側面はある。この編集者の「面白がる」心意気が赤瀬川にも伝染しこの文章を書かせたのだ。と思うと、主幹編集者である山田の真摯な心意気には申し訳ないけれど、過度の真面目さは、やはり、滑稽さを生んでしまうものなんだなあ、との感慨に浸る他はない。 とは言え、やはり新明解の解釈の中には、どきりとさせられるような警句めいた文句もあって、それが新解さんの新解さん足る所以なのだろうと思いもするけれど。 『どく しょ①⓪【読書】―する〔研究調査のためや興味本位ではなく教養のために書物を読むこと。〔寝ころがって読んだり、雑誌・週刊誌を読むことは、本来の読書には含まれない〕』―『見えてきた新解像』 うーん、教養かあ。 後半の「紙」にまつわるあれこれのエッセイも面白いです。特に「札」⇔「お札」という一考には思いの外感心しました。

Posted byブクログ

2019/05/04

ぷぷー! 面白すぎる! こんな辞書があったなんて! しかも、この小説(?)Likeな 語り口が絶妙! 電車で読みながらニヤニヤ。。。おっと。

Posted byブクログ

2018/10/20

三省堂の新明解国語辞書はこんなに面白い辞書だったのだ。辞書が主張している。この言葉はこういう風に使うのだとか。

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2017/06/14

捧腹絶倒新解さん。さん付けで呼びたくなる新解さんの謎に気付いたSMさんと赤瀬川さんもおもしろい。後半は紙の話。地球にやさしい人でありたい。

Posted byブクログ

2015/12/11

新解さん初心者です。 これを読むと新解さんがどんな性格で 新解ワールドをいかにして楽しむかが分かります。 新解さんはクールで変わり者だけど頼りになる! しかし、時におちゃめで憎めないやつなんだなぁ。 新解さんのこともっと知りたくなります。 『紙がみの消息』は新解さんとは関係ない...

新解さん初心者です。 これを読むと新解さんがどんな性格で 新解ワールドをいかにして楽しむかが分かります。 新解さんはクールで変わり者だけど頼りになる! しかし、時におちゃめで憎めないやつなんだなぁ。 新解さんのこともっと知りたくなります。 『紙がみの消息』は新解さんとは関係ない内容だったので個人的にはイマイチでした。

Posted byブクログ

2014/11/04

中学の頃新解さんを愛用していました。そういえば、うまいとかおいしいとか美味とか書いてあったなぁ…。辞典にも性格があるんですね。愛用しているころに出会っていたらもっと楽しかっただろうなぁ。

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2014/11/02

言葉遊びと言うのは、いつでも余裕のある人の酔狂であろうか。 辞書を読むと言うことは、普通の人はしたことがないだろうし、する必要も無いものだろう。 しかし、この新解さんには、それをさせるだけのストーリーがある。 辞書に意思があると言うのは面白い。

Posted byブクログ

2014/10/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

思わず持っていた新解さん(ほこりまみれ)を開いて、いろんな項目を確認してしまった。 新開さん、にくめないキャラだけど、昭和か明治のオトコのにおいがぷんぷんする。&赤瀬川さんのにおいも。 後半、紙についてのエッセイは、20年前に書かれているのに、ペーパーレスな現代をちゃんと予想していてすごい。 写真もプリントせずに配れますし。

Posted byブクログ

2013/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三省堂の新明解国語辞典は素晴らしく楽しい辞典ですね。思わず、自宅にあるものを開いて見ましたが、確かに著者の言うとおりでした。「恋愛」のあまりにも直截的でリアルな表現や、「意外」の項で殺されてしまった鈴木さん、「ぞっこん」惚れられた雪子さん、その他の固有名詞が登場することなど、確かにドラマがありそうで、楽しい限りでした。もしかすると、固有名詞は何かの小説からの引用なのでしょうか・・・?しかし、後半は「紙」というテーマでのエッセイの数々。愚にも着かない文章が多く、平板でした。 前半は本当に楽しかったので、確かに「新明解」を楽しみながら読んでみたいと思います。

Posted byブクログ