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講座源氏物語研究(第11巻) の商品レビュー

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2022/07/22

「源氏物語」ほど我が国の文化史に影響を与え続けたものはなく、我が国を代表する文学として日々夥しく関連書が出版されているものも他にありません。しかるに不満なのは、学者先生の姿勢が内向きで「源氏」を世界文学の中に位置付けようとする動きが見えないことです。海外の「源氏」研究が紹介される...

「源氏物語」ほど我が国の文化史に影響を与え続けたものはなく、我が国を代表する文学として日々夥しく関連書が出版されているものも他にありません。しかるに不満なのは、学者先生の姿勢が内向きで「源氏」を世界文学の中に位置付けようとする動きが見えないことです。海外の「源氏」研究が紹介される機会もレアですね。本書はその稀有な企画ゆえに手に取りましたが、内容的には肩透かしでした。唯一サイデンステッカー氏が「源氏」の自然描写をオースティンと比較していて新鮮でした。また、物語を小説から区別する重要な指標として、本質的な意味で構成されたものか、ただ筆を繋いだものかという点を挙げ、「源氏」が四季を選んで事件を起こしていて、これが小説である所以としています。「源氏」が物語なのか小説なのかという点は個人的には懸案ですが、氏の意見が聞けたのはよかった。

Posted byブクログ