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いま、働くということ の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2021/01/22

今働くということについて、現代の労働環境の問題点や昔の働き方とを比較しながら、働く意味について問い直す内容。 生きるために働くという言葉をよく聞くし、自分も使うが、「生きる」という意味について考えさせられる内容だった。 自分の欲や、目先の利益にとらわれず、自分の仕事がどこか知...

今働くということについて、現代の労働環境の問題点や昔の働き方とを比較しながら、働く意味について問い直す内容。 生きるために働くという言葉をよく聞くし、自分も使うが、「生きる」という意味について考えさせられる内容だった。 自分の欲や、目先の利益にとらわれず、自分の仕事がどこか知らないところの誰かの為になっていることを考えながら仕事をすれば働く喜びを感じれるのかもしれない。 また、自分も誰かの働きによって生かされているということを考えながら生きていきたい。

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2017/05/05

「働くのは生きるためである」という言葉を懐疑的に扱うところから、哲学的深みにいざなわれる。 本書が発行された08年から10年が経とうとしている今日、世の中がどうなっているかと考えると、、、益々憂うものになっていると感じざるをえない。

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2016/11/22

生きるとは、自分が所有する身体・能力を活用して、自分の生から、快と満足を絞り出すプロジェクトだ 哲学 いかに社会に貢献してるのを実感できるか 俺の場合、俺の手がけたものが社会の新しい常識を生み出せていること

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2017/11/30

「働くこと」の意味を、哲学・倫理学の観点から考察している本です。 人ひとは社会や環境において他のメンバーたちと相互承認を取り結んでおり、そのなかでみずからの存在の意味を獲得しています。こうした人びとのネットワークには、地縁や血縁に基づく「共同体」と、不特定の人びとが交換関係を取...

「働くこと」の意味を、哲学・倫理学の観点から考察している本です。 人ひとは社会や環境において他のメンバーたちと相互承認を取り結んでおり、そのなかでみずからの存在の意味を獲得しています。こうした人びとのネットワークには、地縁や血縁に基づく「共同体」と、不特定の人びとが交換関係を取り結ぶ「市場」の二種類を区別して考えることができます。このような議論を踏まえたうえで、市場的な関係が共同体のつながりを解体しつつある現状を踏まえ、市場的な関係のなかでは適切に扱うことのできない環境問題や家事労働などにまつわる問題が存在することが指摘されています。 さらに本書の後半では、われわれが人間どうしの関係にとどまらない「いのち」のネットワークに支えられているという議論が展開されていますが、正直なところ、やや牧歌的な議論ではないかという印象もあります。

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2014/10/16

『人生をこのようなプロジェクトとして理解する考え方は、当然のことながら、自分の人生の捉え方のみならず、他人との間柄にかんしても、多大の帰結をともなう。 どんな思考も活動も、生命およびその精妙な働きが続いているからこそ可能となる。 しかるに、プロジェクトとしての人生という考え方...

『人生をこのようなプロジェクトとして理解する考え方は、当然のことながら、自分の人生の捉え方のみならず、他人との間柄にかんしても、多大の帰結をともなう。 どんな思考も活動も、生命およびその精妙な働きが続いているからこそ可能となる。 しかるに、プロジェクトとしての人生という考え方のもとでは、いつの間にか、生命も身体も、そしてその諸能力も、すべて私有物という意味で「自分のもの」であり、「プロジェクトに投入すべき元手」であるかのように扱われてくる。 したがってまた、生命・身体の諸特性のうち、プロジェクトに投入しても成果(つまり効率的な欲求充足)と結びつかないものは、なんら価値がない、ということになる。』 4章の「プロジェクトとしての生」という考え方は非常に興味深かった。 ただし、3章までは非常に哲学的な考察が続くので覚悟が必要。「他者に対してー何ものかとしてーある」とか「対他存在という存在のあり方」とか存在論的根源的な「働く意味」に関する考察をおっぱじめた時には、セレクションミスったと後悔したが、それに繋がる4章が素晴らしかったので良かった。

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2014/01/27
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前半は冗長で飽きたが、後半はさらっと読めた。 論理的な文章であった。 解決策が結局外部に追いやられた経済活動の支援、と少し貧弱であったように感じたが、人間の本性である「いのちの所有権に関する思い込み」と関連付けた議論をしていたろことが興味深い。 ・・・悔しいことに落としどころを忘れてしまった。

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2013/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「「生きる力」とは、きわめて異様な言葉である。そもそも、生きていること、生命そのものが最も根源的な力に他ならない。にも関わらず、生きるためにはなお、何らかの力が必要だといわれはじめるとすれば、そこでは生きていることがすでに脅かされ始めている。」 「何のために働くのか」。「生きるため」という自明な答えには「働くこと」を生きるための手段と割切ることを前提としている。が、本書では働くことを生きることと一体のものとして、いのちの再生産のいとなみのなかに位置づける。

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2013/08/16

「私ということ」に続き、今回は「働くということ」について、今回も哲学的な含蓄が述べられていきます。著者が語るように、働くということは必ず社会的に関わりを持つことであるということは事実です。例え農業や漁業・林業であろうとも、その成果が間違いなく他の人を前提としているのですから。人間...

「私ということ」に続き、今回は「働くということ」について、今回も哲学的な含蓄が述べられていきます。著者が語るように、働くということは必ず社会的に関わりを持つことであるということは事実です。例え農業や漁業・林業であろうとも、その成果が間違いなく他の人を前提としているのですから。人間として、つまり対価存在として相互に承認しあって生きるということであるというその主張が伝統的・教条的な説教としてではなく、著者の理論的主張の帰結として展開していくところは見事です。結論としては「間柄をなして、自然に対して」働きかけていく協働に参加することというのですが、少し難解過ぎ、学生向けには使えそうにはありません。しかし、もう一度、噛みしめてゆっくり読んでみたい含蓄に富む本です。フランクルの「夜と霧」の中で極限状態にある人間の生きる意味を問う疑問が出てきますが、その「自分は、人生から何をまだ期待できるかではなく、人生は、自分に何を期待しているか」と、見事に観点を転換する理論は非常に深い洞察です。

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2013/05/21

「いま、働くということ」(大庭健)読了。「何のために働くのか」という意味への問が手段の合理性に矮小化されている点、「生きる」ことがプロジェクト化される現状を描出している。「わたし」を所有する近代的思考の問題にも繋がる。社会科学的には引っ掛かりも多いが、様々な思索の端緒になる本。

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2013/01/23

はたらくことは、「諸個人の人生/いのちの再生産に寄与している」こと。市場経済の発展した社会ではそれは余計なこととされがちだが、大切なことだ。ということらしい。

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