奇縁まんだら の商品レビュー
どの文章を読んでも、書かれた人の本質が浮かび上がってくる。エピソードとしては「ここまで書いてもいいのか」と思えるものもあるのだが、そのことで彼らの品格は少しも損なわれていない。亡くなっているから無理なのだが、もしも当人が読んだとしても、苦笑混じりで許してくれそうだ。基本に著者の敬...
どの文章を読んでも、書かれた人の本質が浮かび上がってくる。エピソードとしては「ここまで書いてもいいのか」と思えるものもあるのだが、そのことで彼らの品格は少しも損なわれていない。亡くなっているから無理なのだが、もしも当人が読んだとしても、苦笑混じりで許してくれそうだ。基本に著者の敬意があるからだろう。 特にインパクトがあったのは、里見?が志賀直哉からの絶交状を貼り付け「絶対いいものを書いてやる」と努力した話と、岡本太郎が著者に「小説なんかやめて天才の自分の仕事を手伝え」と本気で誘ったという話。 人気がある連載だというのもうなずける。楽しめた!
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章見出しの裏に、その章の主題になる人の略歴と墓の写真が載っているところが凄い。特に岡本太郎の墓石はディープインパクト。
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すでに亡くなった日本の作家たちとの交遊録。いつも好奇心いっぱいで人好きな寂聴さんは文豪達の素顔を浮かび上がらせる。1編1編の最後の2行でバシッと人物像を決める筆力はさすが。しかし横尾忠則氏のイラスト(全員カラー)の表現力は凄い。「魅死魔幽鬼男」と書いたイラストの主人公・・・。個性...
すでに亡くなった日本の作家たちとの交遊録。いつも好奇心いっぱいで人好きな寂聴さんは文豪達の素顔を浮かび上がらせる。1編1編の最後の2行でバシッと人物像を決める筆力はさすが。しかし横尾忠則氏のイラスト(全員カラー)の表現力は凄い。「魅死魔幽鬼男」と書いたイラストの主人公・・・。個性をしっかりと掴み取る力を堪能。
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いつかは読まねばと思って、中学生の頃からこつこつと(全てブックオフで百五円で!)集めた晴美・寂聴本も、すでに30冊を優に超えています。 そして、それらの本を、ようやく最近になって、気が向いた時に手に取って読み始めています。 奇縁とは言い得て妙で、さすがに87歳の御大ともなると...
いつかは読まねばと思って、中学生の頃からこつこつと(全てブックオフで百五円で!)集めた晴美・寂聴本も、すでに30冊を優に超えています。 そして、それらの本を、ようやく最近になって、気が向いた時に手に取って読み始めています。 奇縁とは言い得て妙で、さすがに87歳の御大ともなると、文学史上の名立たる小説家・評論家にはすべて逢っておられるということが、羨ましいことこの上ないと思います。 この本に登場する島崎藤村・正宗白鳥・川端康成・三島由紀夫・谷崎潤一郎・佐藤春夫・舟橋聖一・丹羽文雄・稲垣足穂・宇野千代・今東光・松本清張・河盛好蔵・里見弴・荒畑寒村・岡本太郎・檀一雄・平林たい子・平野謙・遠藤周作・水上勉の、総勢21人の人たちの全ての作品を幸いにも私は読んでいて、そして近現代文学史とか哲学・思想史的なものは割と好きで、今まで何人もの人の評論を読んでいたせいで、そのダイナミックな交遊関係の、めちゃくちゃ活き活きした躍動感・醍醐味を人一倍感じることができて大感激しました。 面白さの要因とは、文学的なことだけに止まらずに、皆さん大好きな不倫だの嫉妬だのというゴシップ記事的なものも満載してあることにあるのかもしれません。 ・・・・・
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読みやすいなぁ と思った。 どんな随想よりも往年の大作家の真?の姿がわかるような気がした。 何人ものなかではやはり、岡本かの子と岡本太郎 親子に興味がいくな。
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日経新聞に連載中の瀬戸内寂聴の交友録。川端康成、三島由紀夫、稲垣足穂、宇野千代、今東光、松本清張、岡本太郎、…と言った大家たちとの出会いや思い出。作者だから知り得た大家たちの素顔が楽しい。連載時に掲載された横尾忠則の作家たちのポートレートも収録されているのがウレシイ。
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