小説ハッシュ! の商品レビュー
それぞれの人物を、映画より掘り下げているところが面白いし、辛いところもあった。橋口監督の新作、早く見たいです。
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後書きで「ぐるりのこと」の人の作品と知って、映画ハッシュも観てみたいし、ぐるりももう一度観たいと思った。人の見方があたたかくて好きな小説だった、人の見方があたたかくて好きと思った自分もなかなか捨てたもんじゃないぞと思った。
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橋口亮輔監督が橋本治の愛読者であることは、『小説ハッシュ!』の最初のページを開いたとたんにわかる。脳裏をよぎる思いの断片をそのまま言葉に書き写したような語り口は、まさに『桃尻娘』だ。監督が自作映画の小説版をあえて書き下ろしたのは、映像では表現しつくせなかった主人公たちの生々しい思...
橋口亮輔監督が橋本治の愛読者であることは、『小説ハッシュ!』の最初のページを開いたとたんにわかる。脳裏をよぎる思いの断片をそのまま言葉に書き写したような語り口は、まさに『桃尻娘』だ。監督が自作映画の小説版をあえて書き下ろしたのは、映像では表現しつくせなかった主人公たちの生々しい思いを言葉にしたかったからだろうか。 それにしても3人の主人公のうち、ゲイのトリマー、直也と隠れゲイのサラリーマン、勝裕は、木川田クンと磯村クンの「その後」を彷彿とさせてちょっとなつかしい。ただし、歯科技工士の朝子は桃尻の玲奈チャンよりはるかにヘビーな過去をもち、孤独で、破綻している。 3人とも社会を思い知った30代、高校生・大学生だった桃尻の登場人物より重いものを抱えている。人生の次の段階に踏み出さなくてはいけない時期にきているのだが、彼らは世間一般とは異なる感性や経験をもってしまったハズレ者。結婚、家庭づくりという世間的に認知された着地点へは進めない。子どもをもつこと、家庭をつくることは、男女の恋物語であれば当然の結末だが、直也と勝裕、朝子にとっては強い意志と覚悟で戦い取らなくては手に入らない未来。 だから、自分の足で踏み出すしかない。好きな人と手を携えて。「子どもがほしい」という朝子の唐突な訴えには、人とのきずなを築くことへの希望と勇気と決意がこめられている。映画を見た人も(筋を知っていても新たな発見があるはず)、見ていない人も十分に楽しめる小説だ。(栗原紀子) こんな内容ですね♪ ごらんあれ!!!
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本質的に孤独であることを自覚している主人公3人が、いつか訪れるかもしれない当てにならない希望を求めてもがく姿がとても人間くさい。
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