竹久夢二と妻他万喜 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
竹久夢二と唯一正式に婚姻した妻他万喜さんの評伝小説。悪妻扱いされている他万喜さんだが、この本での彼女への視点は優しい。現代に置き換えると悪妻とは言えないような…時代の色眼鏡とは恐ろしい。宗教に走ったり他の男のもとへ行ったりなかなか激しい方だったようで…長谷川泰子さんに近いものを感じた。最後は救いがなくてちょっとツラい。でもよくできた評伝だと思います。夢二とくっついたり離れたり…つくづく不思議なふたりだ。
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竹久夢二が岡山県邑久郡の出とこのたび知った。群馬の伊香保にあった資料館はいかにという経過も、本書をつうじて判明したが。 岡山・後楽園のほど近い、川をはさんで美術館がある。そこのミュージアムショップで本書を購入。 妻・他万喜について「正当な評価」をというのが、本書の基盤にな...
竹久夢二が岡山県邑久郡の出とこのたび知った。群馬の伊香保にあった資料館はいかにという経過も、本書をつうじて判明したが。 岡山・後楽園のほど近い、川をはさんで美術館がある。そこのミュージアムショップで本書を購入。 妻・他万喜について「正当な評価」をというのが、本書の基盤になっている。著者の構想も評論家の評価もその点では一致。 読んでいて主人公の妻を置いておき、夢二の交遊の広さ。 20世紀初頭の社会主義者たちとの接触のなかで、画風が培われた点に意外さを。考徳秋水、大杉栄、神近市子らの名前がつぎつぎに登場。 次の時代に登場する東郷青児らが、周囲にいたのだ。 早稲田の近くの絵葉書店で店頭に立つ若い娘が他万喜。 明治の女性にしては奔放に生きているようにみえながらも、他万喜のもつ描画の力が夢二を「育てた」の視点が、結婚、離婚、しかし同居の説明のしにくい女性の一生を紡ぐ糸と、言いたいのかも。 ストーリーの展開の構造が、自然で説得力をもって展開する。豊富な取材、とりわけ当時、両人と直接交遊のあった人を通じての情報が、ストーリーを支えているの、感。
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