昭和史発掘(5) の商品レビュー
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1978年刊行(初出66年)。全13巻中の第5巻。「スパイ”M”の謀略」「小林多喜二の死」の2本。 情報漏洩のみならず、金庫番の役割を持ち、さらには川崎第百銀行大森支店への現金強奪事件を主導し、結果、戦前の共産党を法的にも社会的にも完全に壊滅状態に陥れたスパイM(通称は松村)。 立花隆らもテーマにした官製スパイの有り様と実像を著者なりに迫っていくが、やはり不明な点が多数。 著者は、逮捕した元共産党員を、警視庁特別高等警察部第一課長毛利基が転向させて手駒として利用したと見ているが、憲兵説もあるよう。 一方の多喜二。当時の警察の暴力的体質を暴露した「一九二八年三月一五日」が警察の怒りと憤激を買い、結果、自らの生命を縮めた可能性に言及される。 その背景としてプロレタリア文学者を含むシンパ層の逮捕等も叙述されるが、そこでも見え隠れするのはスパイMの影。
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