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学生をやる気にさせる歴史の授業 の商品レビュー

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2009/11/03

西洋古代史(マケドニア・アレクサンドロス大王)がご専門の森谷公俊先生の大学私学か教育に関する実践をまとめた本です。森谷先生に関しては講談社の興亡の世界史シリーズ『アレクサンドロスの征服と神話』を読み、その深い内容に圧倒されたことを本ブログでも紹介しておりますが、その先生が歴史教育...

西洋古代史(マケドニア・アレクサンドロス大王)がご専門の森谷公俊先生の大学私学か教育に関する実践をまとめた本です。森谷先生に関しては講談社の興亡の世界史シリーズ『アレクサンドロスの征服と神話』を読み、その深い内容に圧倒されたことを本ブログでも紹介しておりますが、その先生が歴史教育に関する本を出されているとのことで矢も楯もたまらず手にしました。本書を読みますと、まず感じるのが、何といいますか先生が勤めている帝京大学の史学科学生に対する不満が満載で、先生の言葉に少し嫌な感じがしました。ただ、それはおそらく私自身に図星であるためであり、とくに私の学生時代に先生の授業を受けいていたとしたらきっとこう思われていたに違いないと思い、そのような気にさせられたのでしょう。本書を読む限り先生は自分にも学生にも厳しい人で、先生のゼミを受講していたら相当鍛えられるなと感じます。私が受講したゼミの先生もその大学では厳しいことで有名で、学生はこぞって避けていましたが、森谷先生に比べれば相当甘いと思わずにはいられません。本書は大学の講義に関する著述ですが、高校の歴史教育に対しても参考にするところはたくさんあります。とくに私が感じたのは、当たり前のことですが、生徒に授業するならば教員はその教材の隅々まで研究しておかなければならないということ、ただそれを本当に実践できているか、森谷先生ほど読み込んでいるか、ということです。おそらく私はできていません。私には努力が足りない、ということです。追記ですが、確かに先生の学生に対する目は厳しいというか、読み方によっては見下しているように感じるところもなきにしもあらずですが、後半、とくに番外編では先生のもつ学生に対する愛情を感じることができます。

Posted byブクログ