ホテルは感性だ の商品レビュー
吉田 寿昭の【ホテルは感性だ。】を読んだ。 これは誇り高き、ひとりのホテルマンの半生記である。 吉田氏は札幌パークホテルの前身である札幌ホテル三愛に入社。その後、札幌パークホテルの総支配人を 勤め、2004年からは札幌グランドホテル・札幌パークホテル総括総支配人にまで上り詰...
吉田 寿昭の【ホテルは感性だ。】を読んだ。 これは誇り高き、ひとりのホテルマンの半生記である。 吉田氏は札幌パークホテルの前身である札幌ホテル三愛に入社。その後、札幌パークホテルの総支配人を 勤め、2004年からは札幌グランドホテル・札幌パークホテル総括総支配人にまで上り詰めた札幌ホテ ル業界をリードする人物だ。 45年に渡るホテルマン人生のすべてと、ホテルに対する想いを、この本の中に凝縮して詰め込んでい る。著者は本書を「ホテルの魅力に引き付けられて頑張るホテルマン達への応援歌として、また、広い心 で私たちを支えて下さった素敵なお客様に捧げる感謝状として」(本文より抜粋)書いたと記している が、それもさることながら、サービス論、セールス論、そして経営論に渡って見事に書き上げ、すべての ビジネスマンの最良のビジネス書としても読み応え充分な内容だった。 若き日の著者が、ただひたすら、どうすればお客様のためになるか、どうすればホテルのためになるかを 考え全力で奔走する姿勢には、学び取り感じ取るものが非常に多い。 そして著者の信念でもある「ホテルは人が商品であり、品質は人である」を一貫して貫き、ホテルという 非日常の空間の中でいかに特別な時間を過ごしてもらうことができるかを考え、ホテルマンとしてエンタ ーテイナーであることを心がけていた。この情熱が、お客様の心をひきつけ、ホテルのファンを作り、繁 栄に繋げてきたのである。 誇り高きホテルマンたちの熱き情熱は、札幌のホテルの歴史でもあり、札幌という街を支えてきた歴史で もある。情熱と夢を持って働けることの素晴らしさを心底感じた1冊だった。 巻末の「おわりに」という文の中で、 「ホテルマンに『さようなら』はいらない。では、またお目にかかれます日を楽しみに・・・」 と締めくくるあたりが、なんともニクイ演出で、エンターティナーとしての真髄を垣間見た気がした。
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