エイレーネーの瞳 の商品レビュー
17世紀オスマン帝国の首都イスタンブールで冒険家として活躍するシンドバッド23生ことセルマは、ランプの魔人を従え空飛ぶ絨毯で大空を翔る。弟子のマレクと共に謎の宝探しに乗り出した時、街の広場の巨大オベリスクが一夜にして消失するという事件が起こるのだった。 代々指輪の魔人を受け継ぐ...
17世紀オスマン帝国の首都イスタンブールで冒険家として活躍するシンドバッド23生ことセルマは、ランプの魔人を従え空飛ぶ絨毯で大空を翔る。弟子のマレクと共に謎の宝探しに乗り出した時、街の広場の巨大オベリスクが一夜にして消失するという事件が起こるのだった。 代々指輪の魔人を受け継ぐシンドバッドが謎の地図と暗号を手掛かりに宝探しをする。それだけで血湧き肉踊りドキドキワクワクの元に本を手にしてしまいます。 そこに弟子の少年の目を通すことにより師弟関係というものを見せ、セルマの冒険家としての顔だけでなく憧れとなるべき大人の顔も見せるのですね。決して品行方正ではないけれど、この人のようになりたいと思わせてくれる存在。それは少年の日に出会いたかった憧れとして、少年の日を遥か昔に過ぎ去った身に思わさせるのです。そしてこれこそが若い世代に向けた物語の醍醐味のひとつでもあろうと思うのです。 田中芳樹が帯に「こんな物語が読みたかった こんな物語を書きたかった」と書いているように少年の日々に田中芳樹を読みあさった身には、こんな物語が好きなんだと思える物語でした。この面白さは多くの少年たちに(もちろん少女たちにも)伝えたいですね。 冒険の謎については、作中ではその答え合わせだけを見せられている感じもします。どのようにして謎を解くかではなく、解いた謎によって起こる冒険に主眼を置いているということでしょうか。そのため物語はテンポよく展開します。そのスピード感も冒険小説の面白味でしょうか。 今回はシンドバッド23世登場編とも言える展開でしたので、冒険はまだまだこれから。実際ラストシーンでは次作への布石もあるのですが、残念ながら続きは出ていない模様。まだまだセルマとマレクの冒険を読みたいので、待っていますよ!
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小前亮のヤングアダルト、中東しかもシンドバットモノということで、期待して読んだんだけど。 うーん… 女性シンドバットってのを筆頭にや悪役、ジン等キャラクター設定は上手いし、イスタンブル(伸ばさないのがツウっぽいねんて)の情景描写。舞台ならではのビサンツ帝国絡みの謎解きと、設定にぬかりなしな筈なのに、何故か乗りきれない。 ジュブナイル故の限界か?書ききれてない軽さを感じてしまう。これってひょっとしてシリーズもので、顔見世興行的な一作ってことなんかなぁ? 設定を生かした続編希望です。
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魔法の絨毯に乗って、魔人(ジン)や弟子とともに仕事や宝探しをするシンドバッド23世のお話。 単に冒険話だけではなくて、先代や親や仲間に対する気持ちも丁寧に描写されていて 読みやすいけれど内容が薄いということもなく、満足でした。
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