現代マルクス経済学 の商品レビュー
今年度、著者のゼミを取る予定で、課題図書として課された本である。 非常に難解な本である。「蓄積せよ!蓄積せよ!それがモーゼであり、預言者である!」という文言をこれで知ることができた。 元々資本論自体「自由主義経済」を目的とした本であるから、資本主義が爛熟し独占資本主義となりつ...
今年度、著者のゼミを取る予定で、課題図書として課された本である。 非常に難解な本である。「蓄積せよ!蓄積せよ!それがモーゼであり、預言者である!」という文言をこれで知ることができた。 元々資本論自体「自由主義経済」を目的とした本であるから、資本主義が爛熟し独占資本主義となりつつある今日の経済に当てはめるには、少し解釈の余地を与えなくてはならない。 一応の通読は試みたものの、字を追ってめくる作業を読むと指すような状況であり、内容の半分も理解出来ていないと思う。 しかし今の日本社会が「独占資本主義」状態であり、身の回りにあるものが尽く独占市場で生まれたものであるということは、不況といわれる状況を解く鍵となるであると思っている。 また貨幣の項も、今の日銀券は「信用貨幣」なのか「国家紙幣」なのかということもあり、金本位制でない現代において、その貨幣の持つ意味も大きい。基本的に管理通貨制度は景気を左右することができるという特性があるが、未だに経済を管理することは出来ていない。 土地と資本についても触れられている。土地や資本は利子という果実をうむから、商品であると観念しがちである。しかしながら土地や資本は労働者が汗水たらして作った商品ではないことを指摘しておこう。 マルクス経済学という古めかしい学問を、現代に当てはめる試みは、正しくなされるべきである。
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