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講座サイコセラピー(9) の商品レビュー

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2011/11/03

まず著者の苗字、これ「うてな」らしい。ちょっと、読めない。それはいいとして内容はロールプレイングである。これ、この頃はけっこうきく言葉である。一般的な会社でも、ジョブトレーニングなんかとして取り入れられているものではなかろうか?だれだれがなになにの役割をして、だれだれがなになにの...

まず著者の苗字、これ「うてな」らしい。ちょっと、読めない。それはいいとして内容はロールプレイングである。これ、この頃はけっこうきく言葉である。一般的な会社でも、ジョブトレーニングなんかとして取り入れられているものではなかろうか?だれだれがなになにの役割をして、だれだれがなになにの……といった感じでシュミレーションをするといったものである。もちろん、本著は臨床心理学的見地からかかれてはいるのだけれど、基本的にはそれと変わりない。ちなみに臨床心理学では、「心理劇」といったものもある。これは、モレノが創始した一種の治療法でもあるのだが、見方によっては心理テストにもなりうるし、なかなかに便がいいものである。ちなみに投影法といわれる、絵を描かせたりする心理テストは全般的に同時に治療にもなったりするので、そういう意味で心理テストと治療の境界は曖昧である。我々が見慣れている心理テストである質問紙(選択肢から選んでいくタイプのもの)にしたって、あれによって自分を客観視できるのならば、やはり治療法の一環となるだろう。で、心理劇とロールプレイングの違いはと言うと、これは厳密には分離しきれないだろう。だが、焦点がいくらか違う。心理劇は「劇」なのであり、全体としての有機性のようなものが重要視される。それに対してロールプレイングは個々を重視して、個々がそれぞれの役になりきれているかどうか?ということが重要になってくる。一応、心理劇では、監督、補助自我(助監督かつ助手で、演者を助ける)、演者、観衆(演者は自分が演じていないときは観衆)、舞台の五つによって構成される。だが、ロールプレイングはかなり自由で、監督と演者さえいればそれでもう執り行えるのである。だから、例えば、治療者と患者が一対一で面談をしているとして、その場で、治療者が「役割を変えて見ましょう」と提案し、治療者が患者になり、患者が治療者になればおそれだけもうロールプレイングなのである。で、これによって、患者は自らを客観的に眺めることができるし、自らに対して治療者がどういう思いを抱いているのかもおぼろげながら実感できるというわけで、実際の治療においても、にっちもさっちもいかなくなったときにとれる奥義みたいなものでもあるのだろう。本著は一応、メイン舞台が学校となっていたけれども、これは実は誰に対しても行えるもので、他人によっては恋人とかにもやっているのかもしれない、まあ、そんなことやってる他人したらなかなかに面白いけれども。ともかくそういった意味で、ロールプレイングはかなり幅が広いし、制限も少ない。また、演技のうまい下手も関係なくて、ただ自分らしく役になりきればいいだけなのである。もちろん、三者以上がそこにいればそのリードをひく心理劇で言うところの監督がいてもいいわけで、後はその監督の力量によるだろうとも言える。ともかく、ロールプレイングをいかにしらけさせずに、やれるかどうかは監督の力にかかっているとも言えるので、そのあたりはまあなんとやらではある。

Posted byブクログ