権力の解剖 の商品レビュー

J.K.ガルブレイス(著者)

2012/10/31

権力を三つの手段、つまり「威嚇権力」「報償権力」「条件付け権力」に分けて、さらにそれを、個人の資質・財・組織・国家・時代・文化・宗教などの観点から分析している。内容的にかなり難しく、頭が痛くなった。ただこの三つの権力に対する説明はわかりやすかった。男女の関係で言うと、「威嚇権力」は、腕力を用いたり、それを用いる事をチラつかせて服住させる事、「報償権力」は、洋服や宝石類を買い与える事によって服従させる事、「条件付け権力」は、必ずしも男性が“行使する”ものではないが、「女性は男性に服従すべきだ」という、伝統・文化・秩序といった考えが、男性にも女性にも知らず知らずのうちに根ざしている事から来る服従である。この三つ目が、難しく、説明を聞いているとごちゃごちゃになってくるのだが、如何に男女の関係にとどまらず、この権力が行使されているか、或いは利用されているか、或いは用いられてきたかという事が延々と書かれている。