オノマトペ 擬音・擬態語をたのしむ の商品レビュー
日本語にはオノマトペと呼ばれる表現がふんだんにあります。オノマトペとは、人・動物の声や身の回りの音を真似たり、動きの様子や事物の状態を描写する表現のことです。例えば、「*きゃーきゃー*叫ぶ」「雷が*ごろごろ*なる」「*にこにこ*笑う」の下線部がそれです。普段何気なく使うオノマトペ...
日本語にはオノマトペと呼ばれる表現がふんだんにあります。オノマトペとは、人・動物の声や身の回りの音を真似たり、動きの様子や事物の状態を描写する表現のことです。例えば、「*きゃーきゃー*叫ぶ」「雷が*ごろごろ*なる」「*にこにこ*笑う」の下線部がそれです。普段何気なく使うオノマトペですが、そこには私たちが気づかない不思議がたくさん潜んでおり、本書はこうしたオノマトぺの面白さ・奥深さを豊富な例で教えてくれます。例えば、「しっとり」と「じっとり」は非常によく似た表現ですが、「しっとり」は「しっとりと潤いのあるお肌」のようによいイメージを、反対に「じっとり」は「じっとり汗ばむ」のように嫌なイメージを思い浮かべます。「し」と「じ」という些細な違いが正反対のイメージを生み出してしまうわけです。なぜこのような違いが生まれるのか。本書ではこのように普段考えもしない問いに分かりやすく答えを与えてくれます。オノマトペを通じて言葉への理解を深めることができる一冊です。 (ラーニング・アドバイザー/人社 IKARASHI) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1162518
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この本はさまざまな例を取って、オノマトペを分析した本である。何が言いたいかと言うと、つまり、「オノマトペ擬音・擬態語をたのしむ」ことができる本ではない、ということだ。 内容には素人ながら興味を惹かれるところが少なくない。しかし、そうした部分は大量の文例と分析の下敷きになって押...
この本はさまざまな例を取って、オノマトペを分析した本である。何が言いたいかと言うと、つまり、「オノマトペ擬音・擬態語をたのしむ」ことができる本ではない、ということだ。 内容には素人ながら興味を惹かれるところが少なくない。しかし、そうした部分は大量の文例と分析の下敷きになって押しつぶされ、霞んでしまっている。学術的にどうであるかはさておき、本としてはあまり適切な手法とは思えない。 少なくとも「ことばのプロでも素人でも、日本語がとことんわかりたい人を納得させるシリーズ」として適当な一冊かは疑問である。 例えるなら、この本は「これは真っ赤なリンゴだ」という文に対して「これという指示代名詞はリンゴを指し示しており、そのリンゴは真っ赤だと形容されている」と分析している本なのだ。 私は「これは真っ赤なリンゴだ」という文の文意を知りたいわけで、そうした意味で甚だしいミスマッチであった。 文法的な結びつきは、オノマトペの一側面に過ぎず、その一側面を詳細に分析することが「たのしむ」ことに繋がるとは、素人目にはどうにも思えなかった。それゆえの星二つである。
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日本語のオノマトペについて、具体的に例文を用いながら解説されていてとても分かりやすかった。音象徴の範囲では、英語と日本語の単語の比較によってその普遍性が明確になった。オノマトペ入門書。
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オノマトペの楽しさがわかると、宮沢賢治を読みたくなります。 ▼1-3章まで、おもしろいことがたくさんありました。 p.64 オノマトペから動詞が派生するのか、 動詞からオノマトペが派生するのかは 卵が先か、ニワトリが先か、ということ。 p.98 言い間違いと「音位転換」 「舌...
オノマトペの楽しさがわかると、宮沢賢治を読みたくなります。 ▼1-3章まで、おもしろいことがたくさんありました。 p.64 オノマトペから動詞が派生するのか、 動詞からオノマトペが派生するのかは 卵が先か、ニワトリが先か、ということ。 p.98 言い間違いと「音位転換」 「舌つづみ」←「舌づつみ」 「茶ガマ」←「茶マガ」 「カンボジアなんみん」←「ナンボジアかんみん」 p.138 有声音(濁音) 無声音(清音、半濁音) オノマトペの形態的特徴 反復・「っ」促音・「ん」撥音・「ー」長母音 オノマトペの用法 様態副詞・結果副詞・程度副詞・頻度副詞
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一年間、オノマトペを自分なりに文献使ったりして調べました。そのきっかけになった書。オノマトペのおもしろさを、わかりやすく解説してくれています。
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