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スシエコノミー の商品レビュー

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2016/12/24
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 「寿司」(というより鮪を中心とする海産物)を定点としたレストラン業、水産業(養殖を含む上、運搬関連も含む)といった「商売」で切り取っていく書である。  日本の寿司業界を論じるくだりは日本人としては割と既知な部分が多いが(もっとも、海外では新規要素は大だろう)、米国へのレストラン寿司業の浸透(レア焼きなど「生」に至るまでのハードルを下げる。調味料を変えて日本風味を軽減するなど)が興味深い。  また、結局、鮪の大口買取先が日本市場のため、日本の経済力が大きく左右している。実際には鮪の価格高騰はバブル期が中心である。  そのため、もともと米豪では買い叩かれていた鮪が高価格帯へと変貌したということは驚きとともに納得。  さらには、かかる事情が、本書にあるような世界各地での鮪養殖業を花開かせ、あるいは空輸を含む運搬業・冷凍技術の発展を加速させた。  一方、価格高騰の皮肉な結果とも、暗部とも言えるが、関税逃れなどのブラックマーケットの形成もまた然りか。  2008年刊行。著者はフリージャーナリスト。  一番面白いのは、戦前戦後からのリトル東京の栄枯盛衰、そしてリトル東京やロサンゼルス等で日本人が寿司レストランを成功させていく様である。  ここでは失敗者の例は上がらないが、おそらくは存在したであろう数多の失敗者の屍を乗り越えて栄光を掴む様は、日本人らしさを生かしたアメリカン・ドリームのよう。

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2013/06/29

寿司、特にマグロにおける流通、買い付け、漁や養殖の現場に筆者が飛び込み見聞きした事柄が詳細に書かれている。各々の現場(個人)から、マグロ・寿司のグローバルな広がり、繋がりを明らかにしようとしている。 寿司は食文化,商取引両方のグローバル化に成功した数少ない事例であり、日本的でな...

寿司、特にマグロにおける流通、買い付け、漁や養殖の現場に筆者が飛び込み見聞きした事柄が詳細に書かれている。各々の現場(個人)から、マグロ・寿司のグローバルな広がり、繋がりを明らかにしようとしている。 寿司は食文化,商取引両方のグローバル化に成功した数少ない事例であり、日本的でない寿司の蔓延や、日本に逆輸入されている場合も多い。 『グローバル化』の新たな一面を知れた。

Posted byブクログ

2012/05/23

日本のローカルフードだった寿司がいかに、世界のスシになったのか、その歴史と、寿司ネタとして欠かすことのできないマグロの世界規模での流通経路や、マグロ乱獲問題などさまざまな視点で、スシについて書かれており、日本人にも意外と知られていない、寿司のルーツなども書かれておりよく調べてある...

日本のローカルフードだった寿司がいかに、世界のスシになったのか、その歴史と、寿司ネタとして欠かすことのできないマグロの世界規模での流通経路や、マグロ乱獲問題などさまざまな視点で、スシについて書かれており、日本人にも意外と知られていない、寿司のルーツなども書かれておりよく調べてあるなあと言うのが、まず思ったことです。 また、本は築地市場でマグロのセリに参加している人たちにもスポットライトを当てているのですが、話の本筋を乱すことなく、築地で働く人たちにも深く触れているなどマクロとミクロの両方の視点で、スシに関する事が書かれており、ていねいに書かれた良著です。 とても読みやすく、普段、何気なく口にしているスシについて考えさせてくれること間違いなしです。 おすすめです。

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2010/09/07

鮨からスシへ。スシビジネスと世界との関係を知る本。 2008/12/20 今やどこの国でもスシはポピュラーな食べ物です。 スシをビジネスの観点で紹介したのがこの本で、著者はアメリカ人で小さい頃に寿司に興味を持ち、世界中の寿司ビジネスを旅行記のようなレポート形式で紹介しています。 ...

鮨からスシへ。スシビジネスと世界との関係を知る本。 2008/12/20 今やどこの国でもスシはポピュラーな食べ物です。 スシをビジネスの観点で紹介したのがこの本で、著者はアメリカ人で小さい頃に寿司に興味を持ち、世界中の寿司ビジネスを旅行記のようなレポート形式で紹介しています。 まずマグロの取引では世界一の築地市場のセリのレポートに始まり、そのマグロは一体どこから来たのかを欧米に取材し、昔は全く価値が無いとされたマグロがいかにして価値を持つようになったか、海外への寿司職人の進出の経緯や、現在のアメリカの寿司店の様子、今後の養殖ビジネスまで、寿司ネタとしてのマグロの物流の流れに沿って、寿司ビジネスを紹介しています。 とても面白い本なので、寿司を食べに行く前に読んでおくと「話のネタ」になるのは間違いないでしょう。

Posted byブクログ

2009/10/04

いかにして「スシ」がグローバル化をとげたかを書いている。日本文化に対する敬意も感じられいい気分で読める?取材がなかなか徹底していて面白い。

Posted byブクログ