樋口一葉 の商品レビュー
樋口一葉といえば、短命・短編・薄幸の思いがよぎる。他方で近代文学では女性職業作家の先鞭を付したとの思いも強い。 作品を丹念によみ、それぞれの作品に対する検討、解析、評価が多い中、全体像を検討するなかで、なにが見えてくるのか。 本書では作家論と作品論が大きなテーマかと思う...
樋口一葉といえば、短命・短編・薄幸の思いがよぎる。他方で近代文学では女性職業作家の先鞭を付したとの思いも強い。 作品を丹念によみ、それぞれの作品に対する検討、解析、評価が多い中、全体像を検討するなかで、なにが見えてくるのか。 本書では作家論と作品論が大きなテーマかと思う。作品論では『大つごもり』『にごりえ』『十三夜』『たけくらべ』などが検討される。 テーマの多様性。作品を通じての主張。そこに一葉作品の特質があると、著者は提示している。「いくつものテーマ、ストーリーが何重にも隠されている」(まえがき 口絵)。 女性の身で、女性をテーマにすえ、文壇で注目をうけたゆえんであり、しかも長く愛される要因ということかと、思いいたらせてくれる。
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