ミナトのせがれ の商品レビュー
ー 港湾に対する認識が改まりそうになると、なぜか世間に逆向きの風が吹いて後戻りしてしまう。私たちの時代になってさえ、港と入れ墨、そしてヤクザとの関係が取り沙汰され、誤った認識が拭い去られることはなかった。 航空機時代の到来で、港湾の重要性が相対的に軽んじられたり、日本人の「...
ー 港湾に対する認識が改まりそうになると、なぜか世間に逆向きの風が吹いて後戻りしてしまう。私たちの時代になってさえ、港と入れ墨、そしてヤクザとの関係が取り沙汰され、誤った認識が拭い去られることはなかった。 航空機時代の到来で、港湾の重要性が相対的に軽んじられたり、日本人の「3K嫌い」でますます敬遠されたり、どんなに声を枯らして叫んでも、私たちの真の呼びかけは世間に届かなかった。 オランダも似たようなものだと知ったが、酒井の親方や私の親父の苦労を考えれば、そんなことは何の気休めにもならない。こうしたことが一つでも積み重なっていけば、港で働く者に対する世間の評価は、次第に改まっていくだろう。 私たちの次の世代には何物にも屈しない 〈力〉を譲り渡さなければいけない。ふとそんなことを思い返しながら、私は会社に帰って、港湾カレッジの第一期卒業生に贈った言葉を、あらためて何気なく読み返した。 ー 『ハマの帝王』に上手く纏まっていたので、『ミナトのせがれ』とは重複が多いが、本人の執筆なので重みが違う。
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ハマのドンといわれる藤木幸夫氏の半生が先代のルーツを含め語られており、大変面白い。随分古い本だが、神奈川新聞にシリーズ掲載された記事をまとめた由。横浜の歴史を知る上での必読書と感じる。
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