あなたを夢みて の商品レビュー

リサクレイパス【著】,古川奈々子【訳】

2011/09/14

地方貴族の一人娘で新進小説家のサラ。ロンドンを訪れていた彼女は偶然、高級賭博クラブの経営者で裏社交界の有名人デレクの命を救う。生きる世界があまりにも違う2人の運命的な出会いとその恋の行方。（Amzonの紹介）

普通の好奇心旺盛な小説家のサラ。その生い立ちから今の地位まで上がってきたデレク。
あまりにも明るく清楚で思慮深いサラに、魅かれていく自分に葛藤しながら、別れを告げるデレク。
今までの生き方で汚れた自分が清廉なサラを巻き込んで貶めてしまうと考えて、愛しているから忘れるというシーンには、心が痛みました。
そのあと、あるパーティーで再会する。
そしてやはり離れられないと感じた二人は、結婚を決意して賭博場の上の居住部分に住むことになる。

デレクの顔に傷を付けたジョイスが、サラに逢いに来て、そのままサラを連れ出し、賭博場に火を付け、廃城に閉じ込めるため連れて行く。
デレクはサラがいなくなって初めて自分が、どれほどサラを愛し、自分にとってかけがいがない人だということを知る。
サラを探し彷徨ったデレクは、焼けた賭博場にたどり着く。
そこへ、やっとの思いで逃げてジョイスを夫の元へ連れて行き、二度と姿を現わさないよう約束させる。
やっと出会えたデレクとサラは、二度と離れないと誓う。

サラに出会えて、その魂を救われたデレクのその後は、本当に幸せというものを感じ、彼が言った言葉でサラは自分の魂、生まれた子供は自分の肉、デレクがいかに孤独な人生を送ってきたのかがわかる。

自分にはない部分が、一番自分の求める愛だったと知った時、手に入れればそれは自分のダークな部分で汚れてしまう。
それは望むがゆえに身を引いていく、切なくなるほどの愛、すべてを忘れるという形での別れ。
そんな胸を締め付けるような愛があるとは思いませんでした。

心に残る恋愛小説でした。

2011/03/03

図書館の本

内容（「BOOK」データベースより）
英国の地方貴族の一人娘で新進小説家のサラ。次回作執筆のためにロンドンを訪れていた彼女は偶然、一人の男性の命を救うことに。彼は高級賭博クラブの経営で若くして巨万の富を築いたデレク。貧民街で孤児として育ち、愛を知らず、金の力だけを信じて這い上がった、裏社交界の有名人だった。取材のため彼のクラブへの出入りを許されたサラは、その人柄で店の従業界たちに親しまれる。まっすぐな愛情と好奇心に満ちたサラに、デレクもまた魅了されはじめていたが、態度では彼女を冷たく突き放そうとする。危険な魅力にあふれるデレクに、サラは思いを慕らせるのだが…そしてある夜、クラブで仮面舞踏会が開かれた。生きる世界があまりにも違う2人の運命的な出会いのゆくえは?邦訳が待ち望れていた超話題作、ついに刊行。

なんか読んだことある？とか思って借りてきていたのですが知らないお話でした。
でもどこかで似たような設定で別なお話読んだのかしら？

それにしても白人の女性は強いです。
感想がそれって言うのも、ねぇ、なんですが、
恐ろしいくらいに強いんだよね。
好きな男が振り向かないなら顔をだめにしてやる！ってそれこそ強い女の発想だなと思った１冊です。

Dreaming of You by Lisa Kleypas