わたしのこだわり人物伝12・1月 の商品レビュー
大槻ケンヂ著「江戸川乱歩~幻影城へようこそ〜」12月 (『私のこだわり人物伝 2005年12月ー2006年1 月』) 内容: この本は、語り手の大槻ケンヂが自分に多大な影響を与えた江戸川乱歩を自身が作った曲、自分なりの考察を交えて語る内容となっています。 この本で紹介さ...
大槻ケンヂ著「江戸川乱歩~幻影城へようこそ〜」12月 (『私のこだわり人物伝 2005年12月ー2006年1 月』) 内容: この本は、語り手の大槻ケンヂが自分に多大な影響を与えた江戸川乱歩を自身が作った曲、自分なりの考察を交えて語る内容となっています。 この本で紹介される江戸川乱歩は、怪人二十面相を書いた時よりも初期のドロドロとした乱歩作品を主に扱っています。主にでてくるのは『屋根裏の散歩者』、『パノラマ島奇談』、『蟲』、『怪人二十面相』です。特に前半の三つは後味の悪い、君の悪い作品だということがあらすじからもわかる。 これらを当時の江戸川乱歩がどのような人物だったか、どのようなものに影響されていたかを用いて作品の肝を説明しています。 大槻ケンヂは、江戸川乱歩に多大な影響とトラウマを与えられており彼が江戸川乱歩に対して持つ憧れ等も交えられている。 感想: 私は、江戸川乱歩の作品をあまり読んだことはありません。しかし『人間椅子』や『幽霊塔』といった私が読んだことのある数少ないなかでも感じる江戸川乱歩の猟奇性といった部分をこの作品はしっかりと説明しており、改めて魅力を発見できるような気がしてきました。 この本の中で紹介された本も興味が湧いたのでいつか手に取ってみたいです。 オススメポイント: 内容が江戸川乱歩の暗い部分にスポットライトを当てた話なので人を選ぶ内容ではあります。 しかし、江戸川乱歩という人が人間をどう考えていたか、どう感じていたかといった心理的な面から江戸川乱歩を捉えており、読み終わったら江戸川乱歩作品を手に取ってみたくなる知りたくなる、そんな話です。(210108 018)
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2005年12月の「こだわり人物伝」は、江戸川乱歩と山田風太郎。 江戸川は少年雑誌に明智探偵と小林少年のコンビで登場していたのを読んだくらいで、荒廃した洋館の恐怖を思い出す。 山田風太郎はまったく縁がない。敷いていうなら「あの日あの時 昭和20年」(NHKBS)の10分間...
2005年12月の「こだわり人物伝」は、江戸川乱歩と山田風太郎。 江戸川は少年雑誌に明智探偵と小林少年のコンビで登場していたのを読んだくらいで、荒廃した洋館の恐怖を思い出す。 山田風太郎はまったく縁がない。敷いていうなら「あの日あの時 昭和20年」(NHKBS)の10分間番組に「医学生 山田風太郎の日記」として朗読されたことで知っている。 本書を読むと、中退した日本医科大学時代の戦中日記が公開されたものらしい。 そういうわけで、内容を紹介するには、縁がなさすぎる。でも、小説家が二つの歴史的事実の間を埋めるために、「ありそうな」かたちで示そうとするのに、山田は「ありえたかもしれない」推測で埋める道を選ぶとする(98p)。 多くの作家が99%の確証をもって埋めるが、山田は1%の可能性があれば、そこで考えられることをストーリーにするということ、か。
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