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聖者は海に還る の商品レビュー

3.9

21件のお客様レビュー

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2022/06/09

 猫を殺し、腹を切り出すという異常行動をする11歳の男の子と母親が、カウンセラーの治療に訪れた。ロールシャッハ・テストにより少年の心の闇を見出したカウンセラーは、定岡療法と呼ばれる催眠療法により、その心の中にある狂気を凍結させ、心の奥底に沈めることに成功する。 その少年は、その後...

 猫を殺し、腹を切り出すという異常行動をする11歳の男の子と母親が、カウンセラーの治療に訪れた。ロールシャッハ・テストにより少年の心の闇を見出したカウンセラーは、定岡療法と呼ばれる催眠療法により、その心の中にある狂気を凍結させ、心の奥底に沈めることに成功する。 その少年は、その後、問題なく大人になり、天才的なカウンセラーになるのだが…  個人的に好きな分野と言うこともあり、大変面白く、最後まで一気読みしました。現実にこんなカウンセラーがいたらなぁと思うと、ドキドキします。 フィクションの面白さがぎゅっと詰まっています。

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2018/10/10

三十三歳で片親で三歳児を抱える、射殺事件の起きた中高一貫校の養護教諭と、十一歳の時に猫殺しを繰り返し、その狂気を催眠療法で凍結したスクールカウンセラーの、学校での日々と恋と解放された狂気。精神に踏み込んだ描写や、師諸共不安定になり病んでいく描写に引き込まれた。病んでしまった人を拒...

三十三歳で片親で三歳児を抱える、射殺事件の起きた中高一貫校の養護教諭と、十一歳の時に猫殺しを繰り返し、その狂気を催眠療法で凍結したスクールカウンセラーの、学校での日々と恋と解放された狂気。精神に踏み込んだ描写や、師諸共不安定になり病んでいく描写に引き込まれた。病んでしまった人を拒まない目線が温かい。

Posted byブクログ

2015/07/22

この著者の作品を何冊か読みましたが、やっぱり面白いです。長編でも最後まで飽きさせずにひきつけるパワーがあります。この作品も読み始めるとついつい最後までやめられずに一気に読んでしまいました。お気に入り作家認定ですね。

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2016/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 心理学って不思議な分野で、いい意味でも悪い意味でも裏切られることが多そうだなあとこの物語からも感じる。  まさにそんな心理学に基づき人間に対峙するカウンセラーは「聖者」たり得るのか。  「本当の自分」って一体どれ?と、誰もが考えたことのあるような普遍的な命題について、問いかけるような作品だった。  別宮の幼稚さには嫌悪感を覚えたが、実は別宮が拘る道も自ら選んだものではないのかもしれないーーそれを思うとただただ哀れな人だなあと思った。  興味深いテーマとセンセーショナルさの割に、結局少し安っぽさを感じる恋愛で終わったので物足りなさも感じたが、面白かった。何より、非常に読みやすいことは間違いない。

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2015/06/21

面白かった。 初めて山田 宗樹さんの作品を読みました。 とても読みやすくて、ミステリー的な要素も少しありつつ。 大きなストーリーの流れはよかったです。 ただ、途中から恋愛を中心においた感情的な展開になっていったのがちょっと気になりました。 もう少しシリアスな展開にもっていっても...

面白かった。 初めて山田 宗樹さんの作品を読みました。 とても読みやすくて、ミステリー的な要素も少しありつつ。 大きなストーリーの流れはよかったです。 ただ、途中から恋愛を中心においた感情的な展開になっていったのがちょっと気になりました。 もう少しシリアスな展開にもっていっても良かったような。 まーでも良かったですね。 他の作品も読んでみようと思います。

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2014/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

精神病理をメインテーマとして扱い、そこにティーンエイジャーの危うさや大人の恋愛エピソードを絡め、さらに後半の勝負所では「ここからサイコホラーが始まるのか…?」、と一瞬怯えさせてもくれた。 1冊の中に込められたトピックスは多いが、どれも上手く消化されており、最初から最後まで非常に興味深く読むことができた。 ラストも含め、全体的には物哀しいストーリーなのだが、にも拘らずどこかスッキリした気分、前向きで澄んだ気持ちにさせてくれる作品だ。 帚木蓬生氏や久坂部羊氏、それに手塚治虫氏などといった医師資格を持つ作家がその専門知識を援用して生み出す作品は無論のこと、そうでなくとも医療の世界を舞台にし、読者の生命倫理観をダイレクトに揺さぶる物語は実に読み応えがある。 誰もがいわゆるTPOに合わせた自分を演じ、常に何らかの衣を心に着せているとも言える現代社会において、“本当の私”とは一体何なのか? 一体どこにあるのだろうか? そんな普遍的な命題についても考えさせられる。

Posted byブクログ

2014/01/03

在りそうで無さそうで有りそうな設定ですが、それを 丁寧に消化してて、またありきたりな展開にもならず 良かったです。おれも海に還っちゃうよ!!

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2013/03/12

誰も救われない話。狂気に呑み込まれてゆく登場人物に対し、なぜか心からの同情は向けられないのがまたもどかしい。

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2013/01/17

非常に読みやすかった。 冒頭から、学校で射殺事件が起こるというものすごい始まりかただったが、メインはこの事件ではない。ここはもうちょっと膨らませられなかったのかなとやや疑問。 テーマは、行きすぎた心理療法。環境に適切に順応させようというカウンセリングは、つまり環境を是としありのま...

非常に読みやすかった。 冒頭から、学校で射殺事件が起こるというものすごい始まりかただったが、メインはこの事件ではない。ここはもうちょっと膨らませられなかったのかなとやや疑問。 テーマは、行きすぎた心理療法。環境に適切に順応させようというカウンセリングは、つまり環境を是としありのままの心を否定しているわけであり、心を操作していると考えることができる。それって本当に正しいことなんだろうか?という問題提起や、意のままに心を操作された二人の末路が描かれる。面白さも怖さもある小説でした。 ところどころ、もう少し膨らませてほしいと感じた点が少しだけ残念。あと、主人公の女性の行動にはけっこう何度も嫌悪を感じた。

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2012/12/02

催眠療法に関して、個人的に深く興味を持っていた為、内容が いつも以上に興味そそられるものだった。 催眠療法を勉強してた高校時代の自分と子供たちを重ねつつ、今の自分と律の年ごろを重ね、彼女の包容力に感動したり…。 潜在意識の領域は本当不可思議。潜ってみたい。 著者の参考文献多い...

催眠療法に関して、個人的に深く興味を持っていた為、内容が いつも以上に興味そそられるものだった。 催眠療法を勉強してた高校時代の自分と子供たちを重ねつつ、今の自分と律の年ごろを重ね、彼女の包容力に感動したり…。 潜在意識の領域は本当不可思議。潜ってみたい。 著者の参考文献多い。読んでみたい。

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