国連開発援助の変容と国際政治 の商品レビュー

大平剛【著】

2011/09/24

UNDPの財源は各国からの自発的拠出金、カウンターパート拠出、コスト・シェアリング、寄付金など。
構造調整政策の根底には、途上国における市場に対する過度な規制や関税障壁などが経済活動をゆがめてしまっており、自由化や規制緩和を行って市場を正常に機能させることで、問題は解決されるという考えがある。
人間の安全保障と、持続可能な人間開発という2つの概念をつなぐ手段として予防開発がある。予防外交を補完するための概念。開発が広い意味で紛争予防の一環であることが示されている。
冷戦が終結して、国際政治経済状況がいっぺんしたことで、開発援助期間はその存続にかけて、冷戦後の世界秩序の一環となるような開発援助方針を打ち出してきた。
グッドガバナンスと参加型開発が新たな開発援助戦略の柱になった。
予防外交とは政治外交上の安全保障だけではなく、経済・社会さらには開発問題を含めた活動を指し、それらを総合して予防行動という用語を用いて表現している。
開発援助をめぐっての政治力学は多国間援助よりも二国間援助のケースのほうに、より強く影響を及ぼしてきた。