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世界の歴史(13) の商品レビュー

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2023/01/15
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18世紀までの、ブルボン家とハプスブルク家の対立という構造はイタリア統一と普仏戦争によって大きく変わってしまった。ビスマルクはフランスを孤立させる政策をとる。君主権力の維持を図るロシア・オーストリアと同盟を結び、フランスのチュニジア保護国化に反対するイタリアも同盟に加えた。科学技術の進歩も相俟って、1870年頃からこうした列強には資本が蓄積され、余分な資本の輸出先が求められるようになる。帝国主義の時代の到来である。スエズ運河の建設によって従来の喜望峰を通るルートよりも早くインド洋に出られるようになると、いかに地中海に進出するかが肝になる。インド政策が中心のイギリスは、ヨーロッパからインドに至る道を全て抑えていた。ジブラルタル、ケープタウン、スエズ、アデンという風に。ロシアがサン=ステファノ条約でブルガリアをバルカンの強国にしようとしたのも、オーストリアがボスニア・ヘルツェゴビナを併合したのも、イタリアの北アフリカ政策もドイツのバグダード鉄道も、それへの対抗である。ビスマルクの引退後、ドイツは自国農業の保護からロシアを、建艦競争からイギリスを敵に回してしまった。イギリスは英露協商、さらには英仏協商を結び、ビスマルク体制が完全に逆転してしまう。 本巻では、インドと清に多くのページを割いている。インドは1757年のシパーヒーの乱よりイギリスに支配され、100年後のインド大反乱で大きな局面を迎える。以後、イギリスはヒンドゥー教徒とムスリムの対立を誘う政策をとるようになる。 一方、清は中華思想に基づいてヨーロッパを夷狄とみていたが、南京条約によって初めて対等国家の存在を認める。二回に渡るアヘン戦争という外患および太平天国という内憂に悩まされる清は、ヨーロッパの技術のみを取り入れる洋務運動に向かった。しかし、日清戦争を経て挫折。ナショナリズムの萌芽からヨーロッパの精神をも取り入れる変法運動が始まったが、これは西太后のクーデターで失敗に終わった。しかしながら、義和団事件も経ると、ヨーロッパを模範とする立憲政治への転換は避けられないように思われた(光緒新政)。しかしながら、満州民族の国を維持しようとする面の強い政策は失敗、漢民族の共和国ができあがる。

Posted byブクログ

2012/11/14

(1994.02.01読了)(1994.01.10購入) *解説目録より* 世紀末から二十世紀初頭にかけて、西欧帝国主義の世界分割制覇の進展をたどりつつ、飛行機・巨艦・自動車を生む現代世界の原型を描きだす。 ☆世界の歴史・中央公論社(既読) 「世界の歴史(5) 西域とイスラム...

(1994.02.01読了)(1994.01.10購入) *解説目録より* 世紀末から二十世紀初頭にかけて、西欧帝国主義の世界分割制覇の進展をたどりつつ、飛行機・巨艦・自動車を生む現代世界の原型を描きだす。 ☆世界の歴史・中央公論社(既読) 「世界の歴史(5) 西域とイスラム」岩村忍著、中公文庫、1975.01.10 「世界の歴史(6) 宋と元」宮崎市定著、中公文庫、1975.01.10 「世界の歴史(7) 近代への序曲」松田智雄著、中公文庫、1975.02.10 「世界の歴史(8) 絶対君主と人民」大野真弓著、中公文庫、1975.02.10 「世界の歴史(9) 最後の東洋的社会」田村実造著、中公文庫、1975.03.10 「世界の歴史(10) フランス革命とナポレオン」桑原武夫著、中公文庫、1975.03.10 「世界の歴史(11) 新大陸と太平洋」中屋健一著、中公文庫、1975.04.10 「世界の歴史(12) ブルジョワの世紀」井上幸治著、中公文庫、1975.04.10

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