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カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った の商品レビュー

4.1

24件のお客様レビュー

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2011/10/11

旧ソ連が開発した軍用自動小銃AK47。 この銃はそのババナ型の弾倉と第3世界の紛争などで多用されていた事から、名前は知らなくても見た事はあるという方も多いのではないでしょうか。 ミハイル・チモフェエヴィチ・カラシニコフ。 彼がこの銃の開発者で、AK47とその派生品は彼の苗字...

旧ソ連が開発した軍用自動小銃AK47。 この銃はそのババナ型の弾倉と第3世界の紛争などで多用されていた事から、名前は知らなくても見た事はあるという方も多いのではないでしょうか。 ミハイル・チモフェエヴィチ・カラシニコフ。 彼がこの銃の開発者で、AK47とその派生品は彼の苗字からカラシニコフとも呼ばれています。 本書は題名の通りそのカラシニコフ氏の自伝です。 #自伝と言いながら、著者がエレナ・ジョリーと聞きなれない名前。 #彼女はカラシニコフ氏の娘の長年に渡る友人で作家兼ジャーナリストのフランス人。 #本書は彼女が行ったカラシニコフ氏へのインタビューを基にして書かれたとの事。 全7章からなり、彼の子供時代からソ連崩壊後の現代までの人生を、時に現代ロシアに対する彼の否定的な見方を交えながら描いています。 本書に書かれている彼の個人史を以下に抜粋。 実家が豊かと決めつけられ一家全員でシベリア送りにされたスターリン時代の苦労や流刑地からの2度にわたる脱走。 そして(日本ではノモンハン事件のソ連側指揮官として知られている)ジューコフ将軍に才能を見出され、軍の装備開発に取り掛かるもナチス・ドイツとの戦いが始まり戦場へ向かう。 戦場では負傷した状態で敵地に取り残されるが、仲間と共に必死に脱出。 脱出後、高性能の軍用銃の必要性を痛感。 病院内で時に1日100回もスケッチをし直す程、熱中して新式銃の開発に取り組む。 その後、様々な軍用銃のコンペに参加するがことごとく落選。 自信を失いかけるが、周囲の励ましに助けられAK47を完成。 この銃の開発に成功したことにより、旧ソ連の最高会議の代議員に選出される。 と言う物です。 他には、 西側水準ならばともかく、旧ソ連水準ではとても恵まれた生活を送ってきたし、今も送っているが、AK47関連の特許収入などは1カペイカ(100カペイカで1ルーブル)たりとも受け取っていない。 AK47がテロリストの武器になっているのは悔しいが、自分の責任ではない。 などと主張。 また、全般的に現代ロシアに対して否定的な考えを持っているようです。 最終章の7章「雑記」以外は各章の冒頭に時代背景の解説が載っており、当時のソ連社会がどの様なものであったか、カラシニコフ氏がどの様な立場だったか等を知ることが出来、ソ連・ロシアの歴史にあまり詳しくない方でも戸惑わずに読めるのではないでしょうか。 父をシベリア流刑時代に失ったこと。 それでもスターリンを肯定していること。 妻や子供たちへの愛情。 それらが率直に書かれており、人間は単純ではないと感じさせてくれる内容です。 カラシニコフと言う世界に多大な影響を与えた銃に興味をお持ちの方は勿論、銃には全く興味がないという方にとっても、厳しい状況下に置かれた人間の人生を知るという点で有意義な内容と言えるのではないでしょうか。 一読をお勧めします。

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2011/07/10

AK47で有名なカラシニコフの自伝。 カラシニコフさんは発明好きで真面目な人という印象。 激動のソ連に翻弄された人生。

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2011/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 旧共産圏の軍隊からテロリストまで、世界一有名な自動小銃「カラシニコフ」。 その銃「AK-47」を開発したカラシニコフ本人の語りおろし自伝。 スターリン時代、シベリアに強制移住させられた幼少期から、一兵卒から銃設計者として見いだされ、旧ソビエト最高会議代議員に上りつめるまでの波乱の人生を描く。 [ 目次 ] 第一章 隠された悲劇 第二章 一介の兵士から銃器設計者へ 第三章 AKの誕生 第四章 唯一の銃器 第五章 ソ連・ロシアの指導者たち 第六章 祖国と外国 第七章 雑記 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/02/24

かの有名なカラシニコフ銃の設計者の人生を綴った本。 (ってもカラシニコフさんはまだまだ存命です。) 自分の人生を振り返ってのインタビューに答えるカラシニコフさん。 頑固で几帳面、まっすぐな人物像が文章から生き生きと伝わってきます。 自伝としても面白いですが、ロシアの歴史(そし...

かの有名なカラシニコフ銃の設計者の人生を綴った本。 (ってもカラシニコフさんはまだまだ存命です。) 自分の人生を振り返ってのインタビューに答えるカラシニコフさん。 頑固で几帳面、まっすぐな人物像が文章から生き生きと伝わってきます。 自伝としても面白いですが、ロシアの歴史(そしてその暗黒性)を初めて知ることができ、そちらのほうが衝撃的。

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2010/12/26

カラシニコフという1人の男が見たソ連、ロシア、そして銃の歴史。聞き語りなので、現在の「発明好きのおじいちゃん」という感じが、良く伝わってくる。

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2010/03/14

波乱の時代を生き抜き、世界一有名な自動小銃を発明したカラシニコフの自伝。 自分の発明に並々ならぬ誇りを持っていて、AK47がテロで利用されることを嘆くのですが、「彼らも正しい選択をした。最良の武器を使うという点では」と述べていたのが非常に印象的でした。 歴代指導者とのエピソードは...

波乱の時代を生き抜き、世界一有名な自動小銃を発明したカラシニコフの自伝。 自分の発明に並々ならぬ誇りを持っていて、AK47がテロで利用されることを嘆くのですが、「彼らも正しい選択をした。最良の武器を使うという点では」と述べていたのが非常に印象的でした。 歴代指導者とのエピソードは勲章を授与されたカラシニコフならではこその内容。エリツィンやゴルバチョフはボロクソに書かれています。

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2010/02/11

AK47というソ連の有名な自動小銃を作ったカラシニコフの生い立ちについて。当時のソ連の軍事情勢などと重ねて、面白く読むことができた。

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2009/11/25

AK47設計者の伝記。自伝となっているけれども実際にはインタビューの再構成。ソ連という歴史上の国をのぞき込む上で面白い視点になると思う。

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2009/10/13

あまりにも有名な銃「カラシニコフ」AK-47を開発したカラシニコフの生い立ちを聞き書き。 この銃の存在が現代を形作る重要な役割を果たしているのはまぎれもない事実だ。そして今も世界中でそれぞれの祖国のための火花を散らしている。 彼はテロリストの手にカラシニコフが握られていることに...

あまりにも有名な銃「カラシニコフ」AK-47を開発したカラシニコフの生い立ちを聞き書き。 この銃の存在が現代を形作る重要な役割を果たしているのはまぎれもない事実だ。そして今も世界中でそれぞれの祖国のための火花を散らしている。 彼はテロリストの手にカラシニコフが握られていることに、憤りを感じている。そして「この銃で1コペイカたりとも受け取っていない」ことを誇りにしている。 カラシニコフ自身には純粋な開発者としての素顔が見て取れる。時代に翻弄され複雑な運命を背負いながらもカラっと生きる東欧人としての顔も。

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2012/01/09

かの有名なソ連製自動小銃AK47の製作者カラシニコフの自伝。面白い。冒頭の、1ダースほどある「ラジオ」、「タクシー」、「コカ・コーラ」といった世界共通語の中に「カラシニコフ」が入っているという話は、「カラシニコフ」という銃のすごさ、影響力の大きさを良くあらわしているし、すごくキャ...

かの有名なソ連製自動小銃AK47の製作者カラシニコフの自伝。面白い。冒頭の、1ダースほどある「ラジオ」、「タクシー」、「コカ・コーラ」といった世界共通語の中に「カラシニコフ」が入っているという話は、「カラシニコフ」という銃のすごさ、影響力の大きさを良くあらわしているし、すごくキャッチーで掴みとして最高だと思う。自分も引き込まれた。幸せだった子供時代、富農の烙印を押され家族ごとシベリア送りへされ、脱走を繰り返した少年時代、ドイツファシズムと戦い九死に一生を得た兵士時代、そして重傷を負って送り込まれた病院で銃器開発に出会い、とりつかれる成年以降あたりの話は、作り話かと思うくらいにドラマティックである。一種のビルドゥングスロマンとしても読めるが、無知な私にとってはスターリン時代のソ連の内情を多少なりとも内部からの声で知れたところが十分面白かった。カラシニコフは幼少期、共産主義にあれだけひどい仕打ちを受けながら(カラシニコフを含め18人いた兄弟で生き残ったのはたったの8人だったというからその凄絶さが窺える)、スターリンや共産主義を全く憎んでおらず、むしろ理想としてとらえているところがあるというのが驚きである。西側目線から言えば、カラシニコフはスターリンの個人崇拝政策の被害者のひとりとなってしまうわけだが、彼の言葉には一概にそうと断定しきれない説得力がある。個人的にこの自伝の白眉は、月並みだが戦争のシーン。爆弾で全身を負傷しながら車で病院へ向かう途中で、偵察に出ている間に自動小銃(当時ソ連には配備されていなかった)を持ったドイツ兵に車を襲撃され、自分ともう一人を除いて全て蜂の巣になったところ。戦争の紙一重っぷりと、新型銃器の威力を物語っている。がっかりしたのは、カラシニコフの感情的表現。フルシチョフやブレジネフやエリツィンやゴルバチョフに対して、感情的に非難をくわえるまではまだいいが、娘が産まれた際に、髪が黒くカールしていたためにジプシーのようだと心配したが次第にストレートになって安心した、というくだりはあからさまな差別主義が見えてしまっていただけない。ソ連、銃器、共産主義といった言葉に心惹かれるものがある人間には無条件に勧められる本である。

Posted byブクログ