1421 の商品レビュー
新大陸を発見したのはコロンブスでなく、中国だった!という内容の本。 明の永楽帝の時代、その即位に功績のあった宦官・鄭和は皇帝の命を受け、大船団を組んで世界に船を漕ぎ出していった。それが1405年のこと。目的は中華思想を広めるためであり、皇帝の臣下となる国を増やすためであった...
新大陸を発見したのはコロンブスでなく、中国だった!という内容の本。 明の永楽帝の時代、その即位に功績のあった宦官・鄭和は皇帝の命を受け、大船団を組んで世界に船を漕ぎ出していった。それが1405年のこと。目的は中華思想を広めるためであり、皇帝の臣下となる国を増やすためであった(要するに朝貢貿易を結ぶ国を増やすこと)その過程で新大陸も発見していた。その年が1421年であるらしい。 15世紀の初めに大洋を航海できる船団を組めた大国は、当時は中国しかなく、著者は世界の様々な地で、その痕跡を探していく。 まず初めに誰でも思い浮かぶ疑問は「そんな航海があったのなら、中国なんだから書き残しているはずでしょ?」ということ。なにもわずかばかりの民俗学的な痕跡を集めなくても、文献を漁るほうが楽でしょ?と。 ところが鄭和が航海に出ている間に本国で政変がおき、皇帝が変わってしまった。先帝の功績はすべて否定されたため、先帝の命によって成されたこの鄭和の功績も、記録に残されず、すべて葬られた、というのが著者の主張。 まあそんなこともあるだろう。特に反論する知識も自分にないし、著者の主張は受け入れたい。ただし、仮に中国人がコロンブスより先に新大陸に到着していた事実があったとしても、その後、継続的な接触があったわけでもないし、スペイン人がしたような人種の混血や文化や宗教に影響を与えたわけでもないので、どっちが先かなんて、正直どうでもいいと思う。 鄭和が航海に出るまでの記述と時代背景のくだりはとても面白かった。この部分は読む価値がある。 航海に出たあとの「痕跡探し」の旅は、なにしろ長いので飽きる。書いてる本人は面白いのかもしれないが読んでる方は、ちょい苦痛。塵も積もれば山となる的な、小さな痕跡集めで、決定打に欠ける。 ともあれ、先に新大陸に到達したのがアジアか西洋かという事をうっちゃって、『宦官・鄭和の大冒険。大海原がボクの舞台だ!』的な航海譚として読めばそれなりに面白い。
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こんな糞でお金をもうけた作者はいつか痛いめに遭うんじゃないかと思う。最初からインチキ・デタラメであることは分かっていたけど、強引な「証拠」の提出や真実を曲げての解説にはうんざり。 海底神殿とか、神々の指紋と同じ部類ではある。まるで駄目。まともな海の歴史の本が欲しい。
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