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試着室 の商品レビュー

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仕立て屋の淫靡な秘密を知ってしまう男

2008年から2011年の間に幻冬社アウトロー文庫より6作品を上梓した作者のデビュー作。筆名から女流作家かな~?と推測しつつ、少なくとも本作では男性登場人物の描き込みがあまり見られない(女性視点っぽい描写が目立つ)ことから女流作家なのであろうな~、と断言してみたいところである。 ...

2008年から2011年の間に幻冬社アウトロー文庫より6作品を上梓した作者のデビュー作。筆名から女流作家かな~?と推測しつつ、少なくとも本作では男性登場人物の描き込みがあまり見られない(女性視点っぽい描写が目立つ)ことから女流作家なのであろうな~、と断言してみたいところである。 菊池 :デパートに勤める三十路前の独身男 西園寺:禿げ上がりで恰幅のよい還暦らしき男 西園寺が営む「テーラー西園寺」へ菊池が訪れるところから物語は始まる。 亜弓:「テーラー西園寺」で勤務1週間の大学生22歳 琴音:「テーラー西園寺」で勤務3ヶ月の人妻34歳は亜弓の姉 試着室で採寸しているうちに亜弓と菊池が2人っきりでちょっぴりヘンな気分になるのだが、それを一方的かつ理不尽に咎めた西園寺が(亜弓の前では初めて)豹変し、恫喝的に迫りながら無残にも亜弓の生娘を散らしてしまうのが第一章。続く第ニ章では先んじて勤務している分、仕込まれるのも先だった琴音によって西園寺の本性が描かれ、スーツの受け取りにやって来た菊池と出会うことで(西園寺が不在なのをいいことに)ちょっぴり摘み喰い的に「ご奉仕」する流れになっている。 猜疑心の強い西園寺の凄みに屈しながら、それから逃れたい気持ちもありながら、それでも逃れられない愉悦も覚えてしまっているような、つまりは抗えない存在に支配されてしまっている姉妹という構図が中盤辺りから見えてくる。主人公らしい登場の仕方だった菊池はこの淫靡な関係の傍観者であり、終盤では亜弓へちょっかいを出したり最終的には交わったりしているのだが、逆に琴音からは誘惑を仕掛けられたりもしており、それらを以ってしても総じて西園寺には敵わない存在である。 途中ではオンナを咲かせた琴音に欲情した夫が珍しく迫っていたり、菊池の勤務するデパートの試着室でも戯れがあったり、クライマックスでは4人でくんずほぐれつといったうねりはあって亜弓も牝の貌を見せるのだが、話の筋道が変わることもなく、時を経て琴音のように振る舞い始める亜弓の変化は悪くない結末だったものの物語としてはやや一本調子だったかな、という印象が残った。全体に漂う雰囲気は良かっただけに惜しまれるところだが、デビュー作ならば次への伸びしろとして期待もできよう。

DSK

2009/12/17

表紙に惹かれて買ったんだけど、失敗…ただのエロ小説だった。途中気持ち悪くなりながらも、悔しいから最後まで読んだ。

Posted byブクログ