野上弥生子短篇集 の商品レビュー
物語とはかく表現されるべきかもしれない、と頭をかく。書き表されるものが、読者、私の頭に描かれるものとして想定されていると思える。登場するこまごまとしたものにも感情にも景色にも、ぼんやりと生きたり書いたりしてはいない(作者は否定するかもしれないけれど)という作家の心意気のようなもの...
物語とはかく表現されるべきかもしれない、と頭をかく。書き表されるものが、読者、私の頭に描かれるものとして想定されていると思える。登場するこまごまとしたものにも感情にも景色にも、ぼんやりと生きたり書いたりしてはいない(作者は否定するかもしれないけれど)という作家の心意気のようなものを感じさせられる。収録作はどれもしんみりと好きだが、「或る女の話」「哀しき少年」は胸をはっとつく。 それにしても……「女性ならではの視点」という言い方を(理解できなくはないけれど)いちいち持ってくる人びとは、女をそんなに画一化したいのかな、とぼんやり。
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時代の関係で、戦争に関する部分が作中に幾度か登場する。文学が苦手な人には、少し作品として難しいものもあるかも知れません。もちろん作品としては十分に面白いものばかりです。「死」のラストでは人の死に関してある興味深い疑問が投げかけられていて、非常に考えさせられる部分も多い。また、「茶...
時代の関係で、戦争に関する部分が作中に幾度か登場する。文学が苦手な人には、少し作品として難しいものもあるかも知れません。もちろん作品としては十分に面白いものばかりです。「死」のラストでは人の死に関してある興味深い疑問が投げかけられていて、非常に考えさせられる部分も多い。また、「茶料理」では若者の幼い恋愛から、大人の恋愛へと見事な恋愛を描いていて、切ない作品になっています。
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この人、大分出身なんです。 だから何か通じるものがあるのかもしれない。 有名なのは「海神丸」だけど短編集も結構えぐいというか。 「死」は何度も読んだ。
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