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物語近代日本女優史 の商品レビュー

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2023/11/03

近現代の舞台や映画をいろどった女優たちについての簡潔な評伝がまとめられている本です。 花柳界の出身である川上貞奴は、「新派劇の父」こと川上音二郎の妻となり、海外にまで足をはこんで、草創期の混乱を絵に描いたかのような女優人生を送ることになります。そして彼女を皮切りに、近代日本にお...

近現代の舞台や映画をいろどった女優たちについての簡潔な評伝がまとめられている本です。 花柳界の出身である川上貞奴は、「新派劇の父」こと川上音二郎の妻となり、海外にまで足をはこんで、草創期の混乱を絵に描いたかのような女優人生を送ることになります。そして彼女を皮切りに、近代日本において「女役者」とは異なる「女優」の活躍がはじまります。 島村抱月と結ばれ、彼の後を追って死をえらんだ松井須磨子、新劇の女優として芸能界での確たる地位を築いた水谷八重子、息の長い活躍を見せた杉村春子などを経て、山田五十鈴まで、多くの女優たちの生涯が簡潔にたどられています。さらに、宝塚出身の女優や商業演劇の多くの女優についてまとめられている章もあます。 最終章「女役者の系譜」では、女舞の流れを汲む「女役者」として活躍した市川九女八が紹介されており、本書であつかわれている新派劇にはじまるあたらしい時代の女優たちが近代日本に登場したことの意義を浮き彫りにしています。

Posted byブクログ