松山収容所 の商品レビュー
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1969年刊行。主に、第一次世界大戦時までの、日本軍の捕虜となった者への待遇の実相を描く。戦火が本土に及んでいないこと、総力戦とはいえないこと、捕虜の出身国(主にロシアとドイツ)が当時の日本よりも豊かな経済大国であったことなどから、本書で叙述される捕虜待遇は極めて牧歌的で、捕虜景気を収容所周辺に発生させるほどであった。本書では数頁しか触れられないが、日中戦争以降のそれとは隔世の感で、かえって、日中戦争以降の捕虜待遇の悲惨さを炙り出している気がしなくはない。
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