耳と文章力 の商品レビュー
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文章力を上げたい筆者が、文章力を上げる方法をいろいろ取材していく本です。 「絶対音感」のように「絶対文章感」があるのではないかと取材を行って、結局のところ「絶対文章感」は無いけれど「文章感」はあるのではないかという結論になっていました。 取材対象は小説家をはじめとする文筆家の先生、ろう者とその関係者や学者、失語症の元患者、しまいにはATOKのジャストシステムまでと幅広くなっています。 具体的な文章力を上げる方法については書かれていませんが、そこに至る方法論的なものは示されています。 自分の理解としては、「心地良い文章の本を繰り返し読む。ただし文章は耳で読む。」という感じです。 声に出して読んでも良いし、黙読でも大丈夫なのだとは思いますが、いわゆる速読で行うべきではないと思います。 あくまで文章力を上げるという目的の場合についてです。 情報を取り入れるだけなら速読でもなんでも文字が読めて意味が理解できれば問題はないかと思います。本文にもそういった話が書かれています。 ろう者や手話の話がなかなかに面白かったです。手だけで会話できると思っていた手話が、実際は表情も必要だったというのは衝撃でした。そこで「てにおは」を表現するとか。 ろう者や手話に関する話が、本の後半部分の大半を占めているのですが目からウロコな話が多かったです。元々手話等にはかけらも詳しくないので興味津々で一気に読み進めてしまいました。 巻末のエピローグ代わりの対談で「翻訳された文章が読みにくい」という話が出てきて、自分の中でなんでだろうと思っていたことが一気に解けました。翻訳ものは最新のものを読むべし。 この本を読んだところで文章力は上がりません。ですが、文章力を上げるためには何をすればいいかというきっかけを掴むのには良いのでしょうか。実践できるかはわかりませんが、いい刺激にはなったかと思います。
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絶対文章感とは、産まれつきの才能の様に文章の上達には才能が関与しているのではないか? ただ、後発的にも文章力は伸びる。 ひとつには、多くの本を読むこと。 多くの文章を書き、修練すること。 それにもう一つは、耳が関与している。 つまり、聞く力が必要であることである。
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いろんな作家の文章や言葉に対する考え方が盛り込まれていて、そこから興味の幅が広がります。 わたしもこの本に書かれている方法で、自分の文章のリズム感を磨いていきたいなと思っています。
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