カレーの秘伝 の商品レビュー
鎌倉山にあり1ホール13800円のチーズケーキを販売しているハウス オブ フレーバーズ。その店のオーナーであるホルトハウス房子はケーキの人のように見られているが、この本を出版した1976年はカレーの人だった。 もともとアメリカ人の夫と共にした海外経験をもとに、西洋家庭料理を教え...
鎌倉山にあり1ホール13800円のチーズケーキを販売しているハウス オブ フレーバーズ。その店のオーナーであるホルトハウス房子はケーキの人のように見られているが、この本を出版した1976年はカレーの人だった。 もともとアメリカ人の夫と共にした海外経験をもとに、西洋家庭料理を教えるなどしていた彼女。日本でも親しまれ、家庭料理の代名詞ともなっていたカレーが「カレーでもしようか」「カレーならできる」というような扱いを受けていることに憤りを感じ、カレーはもっと取組み甲斐のある料理なのだ!というメッセージのもと、スープをとりスパイスを配合するところから作らせるというかなりマニアックなカレー本である。 主婦向けの料理教室を開いているのに皮肉にも、1章は「日曜日、男が作るリッチなカレー」というタイトルである。料理教室に来る奥様方を見て、自分のカレーは彼女たちにはハードルが高すぎると思ったのだろう。 そもそも素材や配合、レシピを執拗に試し尽くす研究肌で、男性向けの本に仕上がっていることは確か。ただ2章以降は主婦を十分視野に入れた即席カレー(といってもカレールーはつかなわい)、カレー味の料理などを紹介している。レシピを見ると、ルーを使わないこともあってカレー自体はかなりサラッとした感じ。 単なるレシピ本というよりはカレーや世界各地での食にまつわる話などを絡めたエッセイ風の読むレシピ本。
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