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マウス の商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/12/18

「マウス」とは、作中の表現によると 臆病な女の子のことらしいです。表紙の色合いが好きです。こちらは村田沙耶香先生のいつもの小説とは違い、変わっているのは主人公ではなく主人公の友人。ただ、主人公も人の機嫌を伺いながら学校生活を送ったりなどと、いわゆる“陽キャ“な人種とは違います。私...

「マウス」とは、作中の表現によると 臆病な女の子のことらしいです。表紙の色合いが好きです。こちらは村田沙耶香先生のいつもの小説とは違い、変わっているのは主人公ではなく主人公の友人。ただ、主人公も人の機嫌を伺いながら学校生活を送ったりなどと、いわゆる“陽キャ“な人種とは違います。私が村田先生に求めるものが大きすぎるのか、普通の話だなーと少しつまらなく感じてしまいましたが、主人公のがバイトを始めたところの描写が「コンビニ人間」を彷彿とさせて嬉しくなりました。

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2022/01/09

村田沙耶香さんにしては、いつもの独特な世界観よりも 一般受けしそうな内容だなぁーと感じました。 小学校高学年の女子特有のグループ。 目立つグループから、大人しいグループ…。 そんなグループのどこにも属さない瀬里奈。 毎日泣いて、授業を中断していた嫌われ者の彼女が 本の「くるみ割...

村田沙耶香さんにしては、いつもの独特な世界観よりも 一般受けしそうな内容だなぁーと感じました。 小学校高学年の女子特有のグループ。 目立つグループから、大人しいグループ…。 そんなグループのどこにも属さない瀬里奈。 毎日泣いて、授業を中断していた嫌われ者の彼女が 本の「くるみ割り人形」の登場人物マリーになりきり、 「瀬里奈」としてではなく、「マリー」として、 生きている話。 瀬里奈にくるみ割り人形の話を教えたのが、 主人公の律。 周りの人の顔色を伺い、失敗しないように生きる 小心者の彼女が、瀬里奈と共に、 自分と向き合っていく!! 読みやすかったし、律の気持ちになんとなぁーく、 共感できる部分もありましたー。 最後の終わり方もほっこり。 小学校高学年の女子って、大人でもないけど、 子供でもないし、そんなその時期特有の女子っぽさを すごく的確に表現してあったなぁーって感じたよー。

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2021/09/18

毎日泣いている瀬里奈に、くるみ割り人形を読んであげた律。 その日から瀬里奈は泣かなくなった。 集団の中で過ごすのが苦手な2人。 律は、周りの人を気にしすぎる。 大学生になった律。 お母さんが厳しすぎる。 律と瀬里奈の友情がいつまでも続くといいなと思う。 村田沙耶香さんのビックリす...

毎日泣いている瀬里奈に、くるみ割り人形を読んであげた律。 その日から瀬里奈は泣かなくなった。 集団の中で過ごすのが苦手な2人。 律は、周りの人を気にしすぎる。 大学生になった律。 お母さんが厳しすぎる。 律と瀬里奈の友情がいつまでも続くといいなと思う。 村田沙耶香さんのビックリするようなストーリーが好きだが、これは全くそういった要素はない。 学校図書館に置きたい内容。

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2020/02/05

村田さん2連続。 白い骨の…に雰囲気は似ていた。 周りの人からどう思われるか気にしながら生きる律。 外から見ていると、そんなに気にしなくていいんだよって言ってあげたくなるけど、カーストのある学級の中にいるとそんなふうには思えないんだよね。 分かるところと、気にしすぎ、なところ...

村田さん2連続。 白い骨の…に雰囲気は似ていた。 周りの人からどう思われるか気にしながら生きる律。 外から見ていると、そんなに気にしなくていいんだよって言ってあげたくなるけど、カーストのある学級の中にいるとそんなふうには思えないんだよね。 分かるところと、気にしすぎ、なところと、半分半分。

Posted byブクログ

2020/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「律」って、嫌なやつだなあと読んでて思いました。でも、嫌なやつでもいいじゃん。生きたいように生きればいいじゃないかと。でも、出来ない。それが出来る人を見てしまって、自己嫌悪や苛立ちがたまる。分かります。私もそうです。自分の本当にやりたいことを抑えて、周りとの調和を敢えて選択して生きている律。その気遣いや真面目に生きていることへの共感を得られない悲しさ。一方、「瀬里奈」は小学生の時は、周りと一切関わらず、ちょっと変わった人のようなイメージを与えるが、内心では自分なりに悩んで考えていた。律と関わることで、堂々と生きることが出来るようになる。その後、19歳になってからも、変わらず、堂々とぶっきらぼうに、マイペースで生きたいように生きている。その瀬里奈の生き方に、ときおり、律が苛立つのですが、読んでて、この二人絶対仲良いでしょうと思いますよね。なんだかんだいって、一緒に出掛けることが多いし、唯一、苛立つことが出来る相手なのだから。苛立つ律に対して、瀬里奈にしても全く悪意はないので、珍しく感情を顕にして律を嫌いますが、これはおばあさん以外の人に感心のなかった瀬里奈にしてみれば、すごい変化で、瀬里奈は瀬里奈で律を必要としているのが分かって、感動しました。また、このやり取りの後で、似合わないと思ってた好きなワンピースを買った律の心境の変化に、律の勇気と成長を感じ、その後、新たな出会いもあって、よかったねと思ってしまいました。人は変われる可能性がある。全編を通して律と瀬里奈のやり取りが、淡々とした中にもユーモラスな感じがあって、好きです。

Posted byブクログ

2018/10/12

人目を気にしてばかりいる律が、暗く過敏で疎まれている瀬里奈に嫌がらせのように「くるみ割り人形」を朗読してきかせたことから、彼女はそれを読んではマリーになりきり別人のように外界と繋がれるようになる。小五での交流と大学生になりファミレスでウエイトレスをする日々の中の再会。律はきっと普...

人目を気にしてばかりいる律が、暗く過敏で疎まれている瀬里奈に嫌がらせのように「くるみ割り人形」を朗読してきかせたことから、彼女はそれを読んではマリーになりきり別人のように外界と繋がれるようになる。小五での交流と大学生になりファミレスでウエイトレスをする日々の中の再会。律はきっと普通の子なんだろうな。

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2018/01/06

『仕事として働くとき、いくらウェイトレスのスカートをはいていても、私は性別から解放されているような気持ちになれる。女として品定めされるのではなく、店をまわすための「駒」として品定めされるのだ。私はそれが心地よかった。誰よりも使える駒になりたかった。』 『私はポケットに手を入れて...

『仕事として働くとき、いくらウェイトレスのスカートをはいていても、私は性別から解放されているような気持ちになれる。女として品定めされるのではなく、店をまわすための「駒」として品定めされるのだ。私はそれが心地よかった。誰よりも使える駒になりたかった。』 『私はポケットに手を入れて自分の携帯を探った。華やかな女の子の携帯電話は、トランシーバーみたいにどこかとつながり続けている。それに比べて私の携帯電話は静かなままだった。』 「すごい馬鹿っぽいけど、なんか、私はこんなに変わったんだー、って、見せてみたくてさ。変わったねー、っていわれまくりたくってさ。陰気な時代のリベンジしたくなったんだよね。でも、全然、だめだった、皆の顔がそろったら、昔と同じ空気が流れてきて、そしたら魔法が解けたみたいにあのころの自分に戻っちゃって、髪の毛が茶色になっただけの、やっぱり暗い女になってたよ。武田さん、変わんないねーとか言われちゃってさ。もー二度と会いたくない、あのころの自分とは。だから地元の知り合いには絶対会いたくない、会っても無視する」 「私は、親に心配をかけない範囲で、息抜きしただけだよ。家出なんかじゃない」 「息抜きしなきゃいけないほど、息苦しい場所から、どうして出ようとしないの?」

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2017/09/03

村田沙耶香 小説コンプリート。 最後まで読んでこそ、小説だということを再確認。 「宗教」のように、他者の目、自己の目に縛られる律と瀬里奈。二人の真の邂逅が素晴らしい。自分を信じるとは、何かも信じること。『くるみ割り人形』が大きな力を象徴するアイテムになっている。

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2017/02/02

生真面目な役をこなしている律と自分の物語にこもりがちな瀬里奈。 小学生はある意味大変な時期だったのだなと。 いや、大人になってもそう大差はない、単に要領が良くなっただけ。 律の視点で書かれているので、「マリー」になって他人から見たら変わった瀬里奈の心情が良く分からないが、そちらの...

生真面目な役をこなしている律と自分の物語にこもりがちな瀬里奈。 小学生はある意味大変な時期だったのだなと。 いや、大人になってもそう大差はない、単に要領が良くなっただけ。 律の視点で書かれているので、「マリー」になって他人から見たら変わった瀬里奈の心情が良く分からないが、そちらの方が気になる。 そっち系と言われそうですが。

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2016/12/13

マウスには、小ネズミ、臆病者、内気な女の子、魅力ある女のコ、そんな意味があるそうです。村田沙耶香さんの「マウス」、2008.3発行の作品です。小学校5年生、内気な田中律と背が高いけど泣いてばかりの塚本瀬里奈の二人。律が「くるみ割り人形」の本を読んであげると、瀬里奈は本の世界に入っ...

マウスには、小ネズミ、臆病者、内気な女の子、魅力ある女のコ、そんな意味があるそうです。村田沙耶香さんの「マウス」、2008.3発行の作品です。小学校5年生、内気な田中律と背が高いけど泣いてばかりの塚本瀬里奈の二人。律が「くるみ割り人形」の本を読んであげると、瀬里奈は本の世界に入って別人のように。自分の世界で一人で生きる瀬里奈と社会の中で自分を殺して生きる律、そんな二人の心の通い合いを描いた傑作だと思います。心に残る不思議な物語でした。一息に読了しました!

Posted byブクログ