手塚治虫SF傑作集 異星人編 の商品レビュー

手塚治虫(著者)

2024/09/13

手塚治虫の奇想・発想はSFでも本当に健在だと分かる。
2024年の現代でも一切衰えず新しいとすら感じさせられる…すげえ…。

「グリテスクへの招待」
愛するものを全て自分の中に吸収してしまう、かわいいあの子。
一番愛する男を失わないために、彼女は海へと還って行ったのだ…。
なんかこう、ロマンだ……。

「荒野の７ひき」
人間の小ささ、愚かさ、卑怯さをナチュラルに教えてくれる…。
むしろ、相手を思いやる優しさを持っているのは、我々の常識にとらわれない外形を持った異星人の方なのかもしれない…。
全てが凄い。

「未来人カオス　宇宙商人カオスの巻」
これはスゲー痛快だったな…。
普通に連載してほしいみがある…。

「宇宙のスフィンクス」
グロくて好き(素直)
なるほど、そういう父親と母親の配合でそうなるんかね…。
普通に美しい女の外形のときに寝た相手が、実は……みたいなの、露骨に怖くて好き。
それでいてあのオチってのがまた、人間のバカさが出てて笑かしてくれるよね。
アダルト手塚治虫だ。

「帰還者」
”復讐”って手塚治虫作品で何度も出てくるモティーフだけど、それを毎回二度も三度もひっくり返してくるから凄い。
あとなんか普通に洋画でありそうなSF設定で凄い。
怖いて！！そんな性病！！

2015/03/13

2015年3月12日読了。手塚治虫の短編SFマンガのセレクション、「異星人」がテーマの作品集、マンガ的表現の巧みさ・問題意識・ユーモアなどは同時代の藤子不二雄SFとも共通するところが多く感じるが、その配分が「劇画寄り」なのかな…？表紙にもなっている「荒野の7匹」など、そのまんま2時間の実写映画にしても非常にハードボイルドでスリリングな作品になりそう。最初期のものと思われる作品も掲載されているのは興味深くはあるが、さすがにマニア向けか。