エマ の商品レビュー
サマセット・モームによれば、オースティンの作品それぞれに熱狂的なファンがいるそうだが、思うにそれは、各作品の主人公に対する関心の度合い、つまりその人の女性の好みを反映しているのではないかと思うのだがどうだろう。 「高慢と偏見」の主人公エリザベスは次女で、美人で芯のしっかりした次...
サマセット・モームによれば、オースティンの作品それぞれに熱狂的なファンがいるそうだが、思うにそれは、各作品の主人公に対する関心の度合い、つまりその人の女性の好みを反映しているのではないかと思うのだがどうだろう。 「高慢と偏見」の主人公エリザベスは次女で、美人で芯のしっかりした次女。 「マンスフィールド・パーク」のファニーは、貧しい家庭に生まれた9人兄弟の2番目で長女。親戚筋の裕福なバートラム家に引取られて育てられる。おとなしくて控えめで、トルストイの「戦争と平和」で身寄りがないばかりにニコライと結婚できないままその家で暮らし続けなければならなかったソーニャを思い起こさせる。 本作品の主人公エマ・ウッドハウスについては、オースティンは「私のほかには誰も好きになれそうにない女主人公」と言ったそうだが、父親があのとおり世間的な能力がない変人なので、もともと頭が良くてしっかりものの長女である彼女が、すべての責任を担ってよりしっかりしなければならないのは仕方がないところ。優等生で美人の学級委員長タイプかな。ただし頭でっかちになりすぎてときどきひどい失敗(特に恋愛面で)をやるのがこの作品のメインストーリー。だから、かなりコメディータッチだ。 おそらく「ハリー・ポッター」のハーマイオニーが大きくなったらこんな感じだろうか。すると、映画で演じるとしたらエマつながりでエマ・ワトソンがぴったりではないか。 こんなふうに、一作一作の主人公のキャラクターが、鮮やかに浮かび上がってくるのがオースティンのすごいところ。 本作は、「高慢と偏見」と並ぶオースティンの代表的傑作とされている。
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ようやく読み終わった.3ヶ月も読んでいたことになる.美人で自分を聡明だと思い込んでいるエマにほとんど感情移入できず,ゆったりとしたテンポでえんえんと続く男女を巡る会話にすっかり退屈してしまったのだ.いつやめようか思いつつも少しずつ読み続けてきて,ようやくおもしろくなってきたのは,...
ようやく読み終わった.3ヶ月も読んでいたことになる.美人で自分を聡明だと思い込んでいるエマにほとんど感情移入できず,ゆったりとしたテンポでえんえんと続く男女を巡る会話にすっかり退屈してしまったのだ.いつやめようか思いつつも少しずつ読み続けてきて,ようやくおもしろくなってきたのは,全体の3/4を過ぎて43章で登場人物がそろってピクニックへ行く章から.ここでようやく人間関係に軋みが生じて,物語が動き出す.ここからは,それまで張っていた伏線がうまく絡み合い最後まで飽きずに楽しく読めた. こういう小説は,時間と心に余裕のある時に読まないといけない.
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貴族階級の価値観が根底にあるので、 途中で何度か引っかかった。 どうしても生まれが重要として扱われ過ぎる 事には抵抗があり…。 また予定調和なストーリーを読ませる 描写力は凄いとは思う。
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お館に住むエマは父に溺愛される一人娘。 悪気はないがちょっとお節介。 世間知らずなくせに人の縁結びに熱意を燃やす。 やがて自分の愛を知るときが… 当時の中流の人々の生活ぶりはリアル。
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1980年に読んだ本。 ところが手元にあるものは、1999年の22版だった。 20年ぶりに読んで、さらに10年経って読もうとした時、文字が小さく感じて異版を探した。
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