いま子どもたちに育てたい 学級ソーシャルスキル CSS(中学校) の商品レビュー

河村茂雄,品田笑子,小野寺正己【編著】

指導のバランス考慮が可能に

[helpself]

ソーシャルスキルという対人関係の知識と技術を学校教育、生活指導の中に取りこんで生徒達に身につけさせるというものです。

スキルに沿った一つ一つの指導を具体的にわかりやすく、イラスト入りで解説されています。

ソーシャルスキルを導入できたことで、ルールとリレーションのバランスを基盤に指導をコントロールできるようになりました。

生活指導がうまくいき、ルールとリレーションが定着していくと授業への集中度も変化していき、授業づくりも自然と楽しくなりました。

また本書から学級集団と個人の指導のバランスを考えられるようになったことも教師としての実力向上に繋がった要因だった思います。

学力向上も目に見えて変化させることができ、学校内でも保護者からの信頼も得ることができました。

導入一考の価値あり

[soiteaching法]

小中学校の公立教員の現状は最近発表された精神疾患による退職の数を見ても極めてゆゆしき問題です。
近隣の中学でも校内暴力が問題になりはじめ、その影響は我が校にも波紋の予兆があります。
今教師として出来る事を検討するなかで著者のQ-Uとソーシャルスキルを実践しています。
ソーシャルスキルという後天的な社会的な関わり合いのスキルを意識的に毎日の生活指導や授業の中で盛り込んでいくものです。

専門的な知識であるソーシャルスキルを実践指導レベルで非常にわかりやすい行いとして記しています。

我が校の反応もとても良いと思います。
教員たちのモチベーションもあがり学校全体が活気づきました。
教員達の横の連携も潤滑になり問題を常に予測した行動をとることができています。

まだQ-Uを知らない方たちは学級状態を把握した指導は一考の価値ありです。

生徒たちからの信頼

[Ｍｒ＆Ｍｒｓdog]

小中学校でのいじめ、さらにはいじめによる自殺が後をたたない。
教師はなぜいじめの実態をつかめずに後手にまわってしまうのか？
生徒たちの動向を見て理解しているつもりでも水面下の本音の動向まで探れないということであろう。
教師が生徒たちから信頼され、学級全体が満足した毎日であれば生徒たちのストレスも軽減され、
いじめのようなゆがんだ行動も減ってくるはずである。
そんな信頼される教師になるために、そして学級全員との信頼を築くためにはどうしたらよいか？
普段から毎日学級全体に目をくばり、友達同士のかかわりとマナーとルールを分かり易く指導していくことによって、
コミュニケーション不足である現代の子どもたちの心も氷解させていけるはずである。
本書は教師の自己開示などのコツや各指導についている実際にすぐ使える工夫されたワークシートが
生徒たちにも飽きさせない作りになっていて簡単に利用できた。
一つの方法論ではあるが、本気で教師がいじめをなくし学級を良くしたいと思えば、それに答えてくれる充実した内容である。

誰も教えてくれない人とのかかわり方

[プラスティックエデュケーション]

ベテランの教育者ほど自分の経験にあぐらをかいて、現在多岐にわたる一人一人の個性の掌握をあっさり例外として放棄し、その生徒とのかかわりや試行に深く踏み込めない実情があると思います。経験からではなく、日々の進んだ学問と現場とさまざまな現状把握を駆使して取り組むべきものであることを教わりました。若い教育者には即実践できる優良な著書ではないでしょうか？
教育においても普段の生活についても、日々の人とのかかわりが重要であることを改めて教えてくれる一冊でした。

2012/01/08

ソーシャルスキルとは対人関係を営む知識と技術のことで学習によって向上するもの(後天的なもの)です。

このスキルをたくみに学習指導に取り入れ、学級経営と授業づくりのバリエーションを増やすといったものです。

ソーシャルスキルときくと、始めはそんな専門的な知識を自分にも取り入られるのか不安でしたが、本書を見ればその心配は一気に解消されます。

日常のシーンから普段の学校生活に自然に取り込めるアイデアとヒントで満たされています。

ワークシート（実践用プリント原本）もイラスト入りですべてのスキルについているので、思いついたら即実践できるのが魅力です。
もちろんソーシャルスキルをクラスに浸透させるまでには地道な継続と途中経過でのフィードバックが必要ですが、学級状態を正確に把握していくことでどんな学級も見違えていくと思います。
姉妹品のCD-ROMも使いやすく同時購入がおすすめです。