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あの空をおぼえてる コミック版 の商品レビュー

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2010/08/23

どこかで聞いたことのあるタイトル、と思って手に取った本。映画のコミック版ですが、映画は未見です。 事故に遭い、死の淵から奇跡的に生還した少年英治。でも妹絵里奈は帰らぬ人となってしまいました。 悲しみを埋めるように暮らす家族ですが、妹の不在感は大きく、悲しみに沈み、自分を見ようと...

どこかで聞いたことのあるタイトル、と思って手に取った本。映画のコミック版ですが、映画は未見です。 事故に遭い、死の淵から奇跡的に生還した少年英治。でも妹絵里奈は帰らぬ人となってしまいました。 悲しみを埋めるように暮らす家族ですが、妹の不在感は大きく、悲しみに沈み、自分を見ようとしない両親を見るに、英治は(自分は必要なかったのか?)と思うようになってしまいます。 亡くなったのが女の子だからか、母親よりも父親の方が憔悴している様子。 誰が悪いわけでもなく、悲しみに捉われてそこから抜け出せないまま、傷つけあう家族たち。 両親を励まそうとして、その気持ちが伝わらない少年は、両親の悲しみがわかるだけに、自分を主張できず、ため混んだ気持ちを、天国の妹への手紙につづります。 自分も九死に一生の大けがを負い、松葉杖なしでは歩けない状況なのに、両親をおもんばかって、つらさをぐっとこらえているけなげな様子に涙腺が緩みます。 みんなの気持ちが分かるだけに、切なくなります。 悲しみに一旦とらわれると、そこから出てくることは非常に難しいです。 そして、失って初めて気づく、存在の大切さ。 両親は、少年の不在で、ようやくそのことに気づかされるのです。 子どもにとって、両親の愛情は何よりも大切なもの。 それを失いそうになりながらも、妹への手紙によって、必死に自分をもちこたえさせる少年のいじらしさ。 両親は、彼によって救われたのです。 最後に、新しい命の誕生で、ようやく未来を見つめられうようになった一家。ほっとしました。 原作は外国人ですが、コミックは日本の話になっていました。そこは脚色したのでしょうか。 (後で映画も日本版になっていると知りました)

Posted byブクログ