夜の橋 の商品レビュー
1981(昭和56)年発行、中央公論社の単行本。9編。アンソロジーでの既読もある。『一夢の敗北』文弱の武士と思われた人物が実は強敵で主人公がまったくかなわなかった話。史実に基づくらしいが、史実に基づくと妙にくどく史実の説明がある。『暗い鏡 』姪の死の後に姪の心情を知る話。だんだん...
1981(昭和56)年発行、中央公論社の単行本。9編。アンソロジーでの既読もある。『一夢の敗北』文弱の武士と思われた人物が実は強敵で主人公がまったくかなわなかった話。史実に基づくらしいが、史実に基づくと妙にくどく史実の説明がある。『暗い鏡 』姪の死の後に姪の心情を知る話。だんだんと深みに嵌って行った道筋をたどり、最後は深みにはめた相手を殴るものの、姪は実はそれでも心を通わせていたのではないかと考える。完全にありえない話でもないところが悲しい。 収録作:『鬼気』、『夜の橋』、『裏切り』、『一夢の敗北』、『冬の足音』、『梅薫る』、『孫十の逆襲』、『泣くな、けい』、『暗い鏡』、あとがき:「あとがき」(昭和56年2月)藤沢周平、 初出誌一覧:鬼気「小説宝石」昭和50年10月号、夜の橋「週刊小説」昭和51年1月30日号、裏切り「小説現代」昭和52年6月号、一夢の敗北「小説新潮」昭和52年10月号、冬の足音「別冊小説宝石」昭和52年12月号、梅薫る「問題小説」昭和53年4月号、孫十の逆襲「小説現代」昭和53年5月号、泣くな、けい「小説現代」昭和53年8月号、暗い鏡「小説現代」昭和53年11月号、
Posted by
宮部みゆきさんの「火車」のあとがきで収録作「冬の足音」が触れられていたので図書館で借りた。いまと変わらずままならない日常をすごす人々の描写が自然に染みてくる。短編の登場人物たちはそれぞれ立場も考え方も違うのに。血の通わせ方があまりにもやわらかくて、愛おしくなる。 そういえば父の本...
宮部みゆきさんの「火車」のあとがきで収録作「冬の足音」が触れられていたので図書館で借りた。いまと変わらずままならない日常をすごす人々の描写が自然に染みてくる。短編の登場人物たちはそれぞれ立場も考え方も違うのに。血の通わせ方があまりにもやわらかくて、愛おしくなる。 そういえば父の本棚の一角は結構な数の藤沢作品があったなぁ…
Posted by
- 1