さようなら窓 の商品レビュー
さびしいから、 1人では心細いから、 もたれかかり合うだけの関係は 恋愛ではないのですね。 お互いがお互いを拠り所としている間にしか成り立たない。 どちらかが1人で進んで行こうとしたときに、破綻が訪れてしまう。 恋愛というより 休息期間が必要だった2人の シェルターのような関...
さびしいから、 1人では心細いから、 もたれかかり合うだけの関係は 恋愛ではないのですね。 お互いがお互いを拠り所としている間にしか成り立たない。 どちらかが1人で進んで行こうとしたときに、破綻が訪れてしまう。 恋愛というより 休息期間が必要だった2人の シェルターのような関係だったのではないかと思う。 抜け出せる日が来て、よかったね。 他の誰とも共有できない、どこよりもあたたかかったはずの場所は、きっといつまでも懐かしく思い出し続けるだろうけれど、それは歩いていくための力になっていくのでしょう。 ふんわり、ほっこり、少しだけちくりとする物語でした。
Posted by
ぬるま湯に浸かっているみたいな感覚になる。現代の女の子の理想はこんな感じの男の子との恋愛なのかもなあ
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中盤まではぬるま湯に使っているような、夢見心地な雰囲気をまといつつ進行。 最後のほうで、がらりと変わった。 二人は大人になる前のサナギ期間を、過ごしていたんじゃないかなぁ。 誰からも攻撃されなくて、責任もない、二人だけの世界。 そんな時期も、人生に一度くらいあるんだと思う。
Posted by
これもほわほわしてるのに、どっかでぐっと掴まれて話してくれない感じの作品。話し言葉のような言葉の並べ方なのに、どこか流れていく感覚があって、その指の間をすり抜けていく感じが心地良い。詩みたい、って思ったら詩人でいらしたのね。 きいちゃんとゆうちゃん。 きゅんってするね。くすぐ...
これもほわほわしてるのに、どっかでぐっと掴まれて話してくれない感じの作品。話し言葉のような言葉の並べ方なのに、どこか流れていく感覚があって、その指の間をすり抜けていく感じが心地良い。詩みたい、って思ったら詩人でいらしたのね。 きいちゃんとゆうちゃん。 きゅんってするね。くすぐったいね。 短編だからさらっと読めるし、日常にさって溶けてくれるから、疲れているときとかにおすすめ。こんな安らぎをくれる本って本当に現代人には必要だと思う。 ちなみに私は「くしゅ」が一番好きです。 安らぎをくれるけれど、本の中に読者を閉じ込めることなく、最後にしっかり日常に送り出してくれる結びがとても魅力的だと感じました。 すき。 最近文庫が出たんだけど、珍しく文庫の表紙の方が気に入りました。よく世界観が出てると思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ファンタジーっぽくもあり、恋愛小説っぽくもあり、自己探求みたいなものもあって。。。 。。。。どちらかひとつにして欲しい。。 単細胞の私の頭ではあれこれ考えるのは無理がある。 結局は主人公が自立して甘やかしてくれる彼の元を離れる話だったのだけど。。 (ねたばれすみません) 全体がぱっとしなくてたんたんとしてて。。 こんな感じの小説も最近多いな〜インストールぐらいからかな? やっぱりはらはらどきどきの推理小説やホラーが好きなだなぁ。。。。 (じゃあ読むなよっ)。。。たまに読みたくなるのよね〜恋愛物
Posted by
注目している作家さん。歌人でもある。 ゆうちゃんときぃちゃんって恋人同士のお話。 だからってべたべたの恋愛小説でなくて 精神が少し不安定で中々眠れないきぃちゃんに 美容師のゆうちゃんが話してくれる不思議な話や 二人が出会う不思議な人のお話が短編になって 全体としてひ...
注目している作家さん。歌人でもある。 ゆうちゃんときぃちゃんって恋人同士のお話。 だからってべたべたの恋愛小説でなくて 精神が少し不安定で中々眠れないきぃちゃんに 美容師のゆうちゃんが話してくれる不思議な話や 二人が出会う不思議な人のお話が短編になって 全体としてひとつの長いお話にまとまっていて読み易い。 最後はちょっと悲しかったけど、でも全体的に ほやほやほかほかとやさしい話だった。 また思い出して読みかえしたくなると思う。 リトルモアの雑誌「真夜中」で東さんが書いている 小説の話が最後のほうで美容室にきたSF作家の 話として出てきたのが面白かった。 読者へのちょっとしたいたずらって感じで面白い。
Posted by
《ネタばれあり・注意》 きぃちゃんに恋人のゆうちゃんが寝物語を聞かせるっていうシーンにほんわかさせられた。 温かなおふとんにくるまれて、あたたかな声を聞く。 とってもすてきなことね。 五年も生きたカブトムシのカブや、謎のストーカー・ピョートル、耳から出てくる「くしゅ」...
《ネタばれあり・注意》 きぃちゃんに恋人のゆうちゃんが寝物語を聞かせるっていうシーンにほんわかさせられた。 温かなおふとんにくるまれて、あたたかな声を聞く。 とってもすてきなことね。 五年も生きたカブトムシのカブや、謎のストーカー・ピョートル、耳から出てくる「くしゅ」、ほらふきの「ホラン」 不思議なひとやものたちのお話は、なんだか夢みたい。 その中のお話にでてきた「来る時が来たら去る、サルコ」にきぃちゃん自身がなるなんて、すごくびっくり でもあたたかな光に満ちた窓の事を、いつまでも宝物のように胸に抱えてさようならをするのなら、それも悪くはないのかななんて思ったりもするわ。
Posted by
「考えすぎなんだな、と思う。なんにつけても。考えすぎるところが、自分でもとても嫌なのに、自分の嫌なところをこうやってまた、考えすぎている。ああ嫌だ」 この部分が、この主人公の性格を良く表していると思った。ちょっと傷つきやすくて、考えすぎで、脆くて、弱くて……。主人公は、20歳の...
「考えすぎなんだな、と思う。なんにつけても。考えすぎるところが、自分でもとても嫌なのに、自分の嫌なところをこうやってまた、考えすぎている。ああ嫌だ」 この部分が、この主人公の性格を良く表していると思った。ちょっと傷つきやすくて、考えすぎで、脆くて、弱くて……。主人公は、20歳の大学生。私と年齢が近いからか、共感できるとこも沢山あった。でも少し、弱すぎる。最初はそう思っていた。 だけど最後まで読んで、“弱くて脆くて一人じゃいきていけない”というのは、思いこみだったんだと気づいた。主人公自身が自分は駄目だと思いこんでいたと思うし、一緒にくらしていた、「ゆうちゃん」もそう思っていて、だから、一人じゃいきていけないような錯覚に陥ってしまったのだ。 最後、とても切なくなるけれど、悲しいだけじゃなく、前向きになれるお話だと思う。 美容師のゆうちゃんがとにかく優しくて素敵だった。最後までほんとーに優しい!全部とおして空気が切なくて優しいお話だった。 東直子さん、はじめて読んだけど別のも読んでみたいなー。
Posted by
自分がない、というのは酷い状態だ。 相手がいるか・いないか、ただ今、私を思っているか・いないか、で、 私の満足・不満、自足・不在が決まるのだから。 * 『薬屋のタバサ』の彼女と、築と、どちらの方が幸せだろうって、初め考えようとした。 間違っているのだけれど。 築の物語の最後...
自分がない、というのは酷い状態だ。 相手がいるか・いないか、ただ今、私を思っているか・いないか、で、 私の満足・不満、自足・不在が決まるのだから。 * 『薬屋のタバサ』の彼女と、築と、どちらの方が幸せだろうって、初め考えようとした。 間違っているのだけれど。 築の物語の最後も、やっぱりとてもとても切ないけれど、 でもやっぱり、タバサの彼女みたいに全て失ったわけではない。 彼女には救いようがない。救うべき彼女も失くすのだから。 別れるにも、分かたれるべき二人がいなくちゃ、仕様がないのだから。 寂しくて、切ない本でした。 でも本当にほかに、しようがないのかしら。 寂しくて、こうなるべき物語ではあるのだけれど。 でも、タバサか、築かしかないなんてことは、それは絶対にイヤだと思う。 し、おかしいと思う。やっぱり。 足掻く気力はないのかしら。 一回きり混乱したら、それで一生ダメになるほど弱いものならば、そのままダメでいいと思うのに。 そこを脱したら立ち直れるなんてほど、器用な弱さも強さもないと思う。 * 東さんの書く男女関係(「恋愛」)って、読んでいて、頭に「依存」という文字が浮かぶ。 それに、理由なんて説明できないし、すごく私的な感覚によって、「現代的」な問題という気がする。 無根拠に、attachmentを「愛情」とか訳しちゃった辺りで駄目になったんだよ。きっと。
Posted by
初めて東さんの本を読んだのだけど、なかなか良いです。 こんな男いないわよ!と言いたくなるくらい、ゆうちゃんが優しすぎる! 終わり方がすきでした。他の話も読んでみたい。
Posted by
- 1
- 2