踊り子の死 の商品レビュー
イギリスの作家「ジル・マゴーン」の長篇ミステリ作品『踊り子の死(原題:Death of a Dancer、米題:Gone to Her Death)』を読みました。 『騙し絵の檻』に続き、「ジル・マゴーン」の作品です。 -----story------------- 寄宿学校で...
イギリスの作家「ジル・マゴーン」の長篇ミステリ作品『踊り子の死(原題:Death of a Dancer、米題:Gone to Her Death)』を読みました。 『騙し絵の檻』に続き、「ジル・マゴーン」の作品です。 -----story------------- 寄宿学校での舞踏会の夜、副校長の妻が殺された。 暴行された形跡があったと聞いた教師たちは、一様に驚きを見せた。 男と見れば誰彼構わぬ彼女の色情狂ぶりは、学校の悩みの種だったのだ。 では、レイプ目的の犯行ではありえないのか? ならば、動機は? すべてが見せかけにすぎないとしたら、その夜、本当は何が起きたのか? *第4位「2003 本格ミステリ・ベスト10」海外ランキング ----------------------- 1989年(平成元年)に発表された作品で、「ジル・マゴーン」の第6作目にあたる長篇作品… 「デイヴィッド・ロイド警部」と「ジュディ・ヒル部長刑事」が活躍するシリーズの第3作にあたる作品です。 翌年から共学になる予定の全寮制パブリック・スクール… 交通事故で記憶の一部を失い、杖が必要となった「フィリップ・ニュービー」が英語教師として着任してくる、、、 教師間の人間関係は良好とは言えず、盗難事件が頻発するなど、学内には不穏な空気が漂っていた… 癖の強い美術教師「サム・ウォーターズ」との同居や、交通事故で夫を亡くした歴史教師「キャロライン・ナイト」との微妙な関係があり「フィリップ」の心は落ち着かない。 問題児もいる… わけてもトラブルの種となっているのは副校長「ロバート・ハムリン」の妻で、男を次々と誘惑する奔放・多情な「ダイアナ」だった、、、 ある夜、晩餐舞踏会が催されているさなか、「ダイアナ」が運動場の一角で死体となっているのが見つかる… 誰が、何故、殺したのか? いつそんなチャンスがあったのか? 「デイヴィッド・ロイド警部」と「ジュディ・ヒル部長刑事」のコンビは、もつれた糸のような関係者の行動を洗い、その心理を探るが、調べるほどに事件の混迷は深まる――。 正統派の本格ミステリでしたね… やや冗長な印象は残りましたが、『騙し絵の檻』と比べ、登場人物の書き分けがしっかりしている感じで読みやすかったですね、、、 主役が不倫関係というのは日本では受け入れられにくい感じはしますが、個人的には愉しめました… 他のシリーズ作品も読んでみたいですね。 以下、主な登場人物です。 「フィリップ・ニュービー」 英語教師 「キャロライン・ナイト」 歴史教師 「アンドリュー・ナイト」 キャロラインの夫。故人 「バリー・トレッドウェル」 校長 「マーシア・トレッドウェル」 バリーの妻 「ロバート・ハムリン」 副校長。数学教師 「ダイアナ・ハムリン」 ロバートの妻 「サム・ウォーターズ」 美術教師 「マシュー・コーズトン」 監督生 「デイヴィッド・ロイド」 主席警部 「ジュディ・ヒル」 部長刑事 「サイモン・アリソン」 主席警視 「マイケル・ヒル」 ジュディの夫 「フレディ」 検死医 「ボブ・サンドウェル」 刑事
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ロイドとジュディのシリーズ3作目。 寄宿舎学校で副校長の妻が乱暴され殺される。 妻は浮気三昧だったため、 愛人や夫が疑われる。 学校に赴任したばかりの英語の教師は、 1年半前に着任するはずだったが、 友人と車の事故に遭い、足が不自由になってしまい、 事故当時の記憶もあいまいだ。 殺人はその事故に関係があるのか、 それとも友人の妻に関係があるのか。 後半のミスリードには当然騙されて、 犯人で会ってほしくない人が犯人かとハラハラさせられた。 そして、最後のジュディが犯人を追い込むところはすごい。 このシリーズはこれで最後なので、 ロイドとジュディの仲が、 (ジュディの夫の嫌がらせにあったが) 落ち着いたところで終わって良かった。 ロイドのファーストネームの謎は解けないままだったが。
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踊り子というのは職業ダンサーではなく、比喩的なもので、事件の起きる舞台は学園。 探偵役はロイド主席警部とジュディ・ヒル部長刑事で、二人の長く膠着した恋愛関係もある段階を迎えます。 本格的な読みごたえのある、安心して読めるミステリです。 色々違うタイプの人間の嫌らしさが次々に披瀝さ...
踊り子というのは職業ダンサーではなく、比喩的なもので、事件の起きる舞台は学園。 探偵役はロイド主席警部とジュディ・ヒル部長刑事で、二人の長く膠着した恋愛関係もある段階を迎えます。 本格的な読みごたえのある、安心して読めるミステリです。 色々違うタイプの人間の嫌らしさが次々に披瀝されるのには苦笑させられますが〜。
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見せかけ殺人という着眼点は面白い。しかし、キャラの内面を表すエピソードが多すぎる。事件の真相に繋がっていくエピが極端に少なく、曖昧な場面展開も影響して、事件だけに集中して読むことは困難。
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結構長いんだけど全然飽きないで一気に読める。実際4時間近く読み続けてしまった。「被害者はなぜレイプされたのか?」「犯人は誰か?」の二つの謎を軸に様々な登場人物(しっかり確立されたキャラ)が楽しませてくれる。派手な印象はないけどしっかりと作りこまれた本格だと思う。後半犯人が二転三転...
結構長いんだけど全然飽きないで一気に読める。実際4時間近く読み続けてしまった。「被害者はなぜレイプされたのか?」「犯人は誰か?」の二つの謎を軸に様々な登場人物(しっかり確立されたキャラ)が楽しませてくれる。派手な印象はないけどしっかりと作りこまれた本格だと思う。後半犯人が二転三転してどれもどうもしっくり来ないというところから見事な着地をしてると思う。すばらしい。
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