刑吏の社会史 の商品レビュー
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[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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日本での社会史の第一人者である阿部謹也の個人的に考える意味での主著です。一見日本人がやることに何の意味があるのか分からない中世ヨーロッパの庶民の歴史、になぜ阿部がここまでこだわり続けたのか、はこれを読むと端的に分かると思います。
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膨大な文献を元に中世欧州での"処刑"概念、刑吏の蔑視と賎視をさまざまな実例を元に、あっさりと描いた。1978年刊行、著者初期の代表作。感情を変にこめず、淡々と記述してゆくがゆえに、個々のエピソードが興味深く現れる。「罪は個人や状況が問題でなく、共同体秩序を乱し...
膨大な文献を元に中世欧州での"処刑"概念、刑吏の蔑視と賎視をさまざまな実例を元に、あっさりと描いた。1978年刊行、著者初期の代表作。感情を変にこめず、淡々と記述してゆくがゆえに、個々のエピソードが興味深く現れる。「罪は個人や状況が問題でなく、共同体秩序を乱した結果が問題である。よって情状酌量の発想なし」という部族法の概念。14世紀前に欧州で一般的だったという。不勉強で知らなかった。
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ドイツを中心に、中世の転換期を都市の成立と刑罰の変容から、民衆意識(刑吏の登場と彼らへの賤視・蔑視の誕生)を探る労作。もっと適切に言うなら、古ゲルマン文化→キリスト教の受容・浸透(侵入?)とその併存→都市化→近代国家への萌芽、までを描いた一冊だと思う。古い新書だけれど、やっぱり面...
ドイツを中心に、中世の転換期を都市の成立と刑罰の変容から、民衆意識(刑吏の登場と彼らへの賤視・蔑視の誕生)を探る労作。もっと適切に言うなら、古ゲルマン文化→キリスト教の受容・浸透(侵入?)とその併存→都市化→近代国家への萌芽、までを描いた一冊だと思う。古い新書だけれど、やっぱり面白い。久しぶりに『監獄の誕生』も読みたくなった。近代的な監獄・刑罰の制度化の前史でもあり、また華々しい身体刑、残酷な拷問が誕生・普及する過程史でもある。旧漢字も含め、活字の読み難さという難点はあるけれど、内容は素直に面白い。
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