デイジー・ミラー の商品レビュー
現代の日本人の感覚では古臭いと感じるような淑女の振る舞いができない(あえてしない)デイジー・ミラーに心惹かれる主人公。その自由奔放さは無邪気さゆえのものと必死に擁護しようとするが、彼自身も段々愛想をつかしてしまう様子がリアルで良い。無邪気で悪意がなければ少しぐらい道徳的に外れて...
現代の日本人の感覚では古臭いと感じるような淑女の振る舞いができない(あえてしない)デイジー・ミラーに心惹かれる主人公。その自由奔放さは無邪気さゆえのものと必死に擁護しようとするが、彼自身も段々愛想をつかしてしまう様子がリアルで良い。無邪気で悪意がなければ少しぐらい道徳的に外れていても良い訳ではなく、周りの空気を読み忠告を聞き入れる素直さも大事。若い・可愛いだけでは済まされないこともあると思うが、若い時は注意されてもうるさがるだけで理解できないもの。そんな女性の末路が描かれている。
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ヘンリー・ジェイムズの作品は、この先何かが起こりそうな、得体の知れない不安を煽る独特の世界観があって、それが何とも面白いのだけど…この作品にはそれがなかった。翻訳が違えばまた違った印象を持つのかもしれない。
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「あたし、男の方とずいぶんおつきあいしていますのよ」(p24) そんな風に自分を語る、若くて美しい女性デイジー。 この美しいアメリカのお転婆娘に、長年アメリカから離れていたウィンターボーンは、ヴヴェーで出会い、魅せられてしまいます。 その後ローマでウィンターボーンはデイジーに再開しますが、デイジーはイタリア人ジョヴァネリと仲良くしていました。それでもウィンターボーンはデイジーに惹かれ続けますが、最終的に、デイジーのことを“もはや紳士たる者が、何も強いて尊敬するにはあたらない娘なのだ。(p117)”と考えるようになります。 物語の最後、デイジーは悪性の熱病にやられ死んでしまいますが、死ぬ前にデイジーは「あたしは美男子のイタリア人と婚約などけっしてしなかった」とウィンターボーンへの言づてを頼んでいました。 彼女はただ野育ちの無邪気な娘だったのか、ふしだらな恐ろしい娘なのか。ウィンターボーンの最終的な彼女への評価は正しいのか。難しいところです。
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ヨーロッパ旅行にきた無邪気なアメリカ人の娘デイジー・ミラーと出会ったウィンターボーン。ウィンターボーンは同じくアメリカ人だったが、ヨーロッパ暮らしが長くヨーロッパのしきたりに順応していた。彼はデイジーに惹かれるがその行動は理解し難いものだった。 デイジーの心理は一切描かれず、ウィンターボーンから見た謎めいた娘という印象だった。最終的にウィンターボーンは彼女との付き合いをあきらめ、彼女は疫病で亡くなった。
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上流階級の社交界のモラルがやかましいヨーロッパに、アメリカからデイジー・ミラーという女の子がやってくる。
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いわゆる国際テーマを扱った心理主義リアリズム小説であり、ジェイムズの中でももっともポピュラーな作品の一つ。俺もこれすごく好き。単純に主人公に共感してしまう。完全に男性中心主義的視点から女性を眺めているので、女性がこの小説を読んだらどう感じるのか興味がある。
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