高度成長 の商品レビュー
1956年から1980年までの25年間の『経済白書』の内容を紹介しながら、高度経済成長以後の日本経済の流れを追った本です。 『経済学とは何だろうか』(岩波新書)で、トマス・クーンの「パラダイム」の概念を活用しながら現代の経済学理論の変遷をたどった著者が、日本経済史をどのように描...
1956年から1980年までの25年間の『経済白書』の内容を紹介しながら、高度経済成長以後の日本経済の流れを追った本です。 『経済学とは何だろうか』(岩波新書)で、トマス・クーンの「パラダイム」の概念を活用しながら現代の経済学理論の変遷をたどった著者が、日本経済史をどのように描くのか、興味があり、手に取りました。 著者は「序章」で、「高度成長の展開が、いかに時代の価値規範や経済学に影響をおよぼし、また逆に影響されてきたのかを解き明かすことに、この度の著作の力点をおくことにした」と述べていますが、本書を読み終えての感想は、この目標は少し壮大にすぎたのではないかというものでした。 「官」の世界における政策理念と「学」の世界におけるパラダイムの絡み合いという側面については、この時代を一つのドキュメンタリーのように生き生きと描いているように感じましたが、時代の価値規範や理念をも扱うためには、やはり社会学的な観点まで叙述の中に取り込む必要があるのではないでしょうか。
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高度成長という時代があったことを、本書で振り返るとよいかもしれない。 BRICSというブラジル、ロシア、インド、中国の現状を分析する上で、 日本の高度成長は参考になると思われます。 公害、交通戦争という課題のうち、後者はまだ克服していない。
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