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正義の正体 の商品レビュー

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2009/10/08

前から気になっていた田中森一と佐藤優の共著。田中は元特捜検事で、その後弁護士に。暴力団などの裏社会の弁護も行う。そして石橋産業事件を巡る詐欺事件で逮捕。H21.10月現在服役中。 まず、国策捜査について触れられる。田中自体は、元検察官ということもあり、相当きわどいやり方でも弁護活...

前から気になっていた田中森一と佐藤優の共著。田中は元特捜検事で、その後弁護士に。暴力団などの裏社会の弁護も行う。そして石橋産業事件を巡る詐欺事件で逮捕。H21.10月現在服役中。 まず、国策捜査について触れられる。田中自体は、元検察官ということもあり、相当きわどいやり方でも弁護活動も行っていたこともあり、検察ににらまれたが故の逮捕なのだろう。その田中が「国策捜査もあるし、国策不捜査もある」と。国策捜査については、佐藤がこれまで述べたとおりだが、国策としてあえて捜査しないものが国策不捜査なのだという。 検察庁と外務省の組織についても書かれている。それぞれ組織の論理があることはもっともだが、外務省はやっぱり異様だ。検察には曲がりなりにも正義があるが、外務省にはそれがない。ただ、最近の検事達も基礎能力が低下しているとのこと。ちょっと不安だ。 そのほか拘置所暮らしについても書かれている。未決勾留ということもあり、基本的には服役囚ではない。しかし、厳しい規則の中で過ごさねばならない。 裏社会との関係についても語る。田中はもちろんだが、佐藤もロシアの裏社会とのつながりもあり。一般社会通念からすると、全くちがった裏社会認識がある。裏社会が正常に機能することにより、社会の秩序が保たれる面があるという。裏の社会は知らないので何とも言えないが、説得力はある。 試験の合格体験記も書かれている。ひたすら勉強なのだろうが、試験を受かってから伸びる奴は、基本的にそんなに必死に努力をしない、元々頭の良い奴なのだという。一生懸命頑張って、なんとか合格したような奴はその後ぱっとしない。 佐藤が仕事において重視したのは、基本的なことをしっかりやること。たとえばコピーして、一枚ミスでコピーし忘れということについて、芝居でも激怒するという。そういう基本的なことがうまくいかないと、他のこともうまくいかない。だから経験的に未熟が故の失敗とうについても、優しくアドバイスもするのだという。 大成するのややっぱり人並み外れた努力、意欲だろうか。並じゃない精神力が必要だと思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

佐藤 優氏は、2007年から2008年にかけて、驚異的なペースで著書を出版した。豊かな教養と、外務省官僚としての現場経験・外国人との交際に基づく様々な意見は注目に値する。田中 森一氏は、東京地検特捜部に所属して数々の汚職事件などを担当した。その後弁護士へ転身。いわゆるヤメ検弁護士...

佐藤 優氏は、2007年から2008年にかけて、驚異的なペースで著書を出版した。豊かな教養と、外務省官僚としての現場経験・外国人との交際に基づく様々な意見は注目に値する。田中 森一氏は、東京地検特捜部に所属して数々の汚職事件などを担当した。その後弁護士へ転身。いわゆるヤメ検弁護士の1人。2008年4月8日のニュースでは、次のように報じている。「大阪地検特捜部は7日、元同地検特捜部検事の田中森一(もりかず)・元弁護士(64)=詐欺罪で実刑判決が確定し服役中=が、刑事事件の相談をめぐって9千万円をだまし取ったとされる詐欺容疑で、田中元弁護士を逮捕した。」 凄まじい組み合わせの共著書と言えるのではなかろうか。

Posted byブクログ