桃夭記 の商品レビュー
同じ作者の「朱唇」を先に読んでいて、これで2冊目です。 今回は短編集ということで、全て中国モノの幻想怪奇譚。 たくさんレビューを書いてきたのに、 こんなにレビューが難しいご本も珍しいです。 面白い小説だったかと言われれば、文句なくどれも面白い。 漢詩のお好きな方や中島敦など好...
同じ作者の「朱唇」を先に読んでいて、これで2冊目です。 今回は短編集ということで、全て中国モノの幻想怪奇譚。 たくさんレビューを書いてきたのに、 こんなにレビューが難しいご本も珍しいです。 面白い小説だったかと言われれば、文句なくどれも面白い。 漢詩のお好きな方や中島敦など好まれる方にもお勧めです。 多分、中国モノの良い読み手であるだけでなく、漢詩などにも お詳しいのだろうなと想像できる著者の筆致は冴えていて。 品のよい、清雅な印象と、闊達・叙情が入り混じって 本当に楽しい時間を過ごしました。 でも、細かくあれこれ言おうと思うと、どれも饒舌な気がして。 それだけ惑溺して読んでいたのでしょうか。 邯鄲の夢のようでご本を閉じたらぼうっとしてしまって。 それと、関係ないことですが。 梅のお香でも焚いて読みたい、となぜか思いました。
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メモ 「桃夭記」博陵郡王の屋敷で怪異に式神を操る青年が挑む話。 「嘯風録」少年帝に忠誠を尽くす虎の話 「迷宮譚」竜王の甕が見せる夢の話 「墨匠伝」墨に命を賭けた名匠の話 という4つの短編集
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4編の中華系短編収録。妖し物も切なかったり痛快だったりとよいですが、「墨匠伝」が絶妙でした。コミカルでシニカルで予想外のハッピーエンド。楽しく読み終えました。
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