メスよ輝け!!(文庫版)(1) の商品レビュー
著者は現役の医師、「高山 路爛(ろらん)氏(本名は大鐘稔彦氏)」です。 本書は孤高の外科医を主人公とした医学ドラマを元に漫画化されました。 著者は京大を卒業後、産婦人科・外科・麻酔科でキャリアを積み、外科系で広く腕を磨き、癌や無輸血手術などにも挑戦しました。 現在はメスを置いて...
著者は現役の医師、「高山 路爛(ろらん)氏(本名は大鐘稔彦氏)」です。 本書は孤高の外科医を主人公とした医学ドラマを元に漫画化されました。 著者は京大を卒業後、産婦人科・外科・麻酔科でキャリアを積み、外科系で広く腕を磨き、癌や無輸血手術などにも挑戦しました。 現在はメスを置いて地域医療に専念しています。 日々の臨床の合間に執筆活動も続けていて、本書は90年に出版社に企画を持ち込み、「やまだ哲太氏」の作画により漫画化されたものです。 物語は、外科医「当麻鉄彦」が、大学病院や法律などの様々なシガラミの中で患者のために奮闘する姿が描かれています。 メインテーマは当時未知の技術だった「臓器移植(現在は合法化)」に挑むことで、文中のエピソードは著者自身の経験が反映され、手術シーンや症例は細部に至るまでリアルに描かれていました。 本書は全8巻まで続く長い物語の導入部分にあたり、強い熱を感じさせるもので引き込まれました。 特に著者自身を投影したと思われる主人公の「道を極めようとする職人気質」と、「患者を思う聖性が周囲を変えていく姿」には胸熱くなりました。 物語の舞台は90年代ですが古びておらず、読み応えがありました。
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