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タラン・新しき王者 の商品レビュー

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2017/06/20
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プリディン物語第5巻にしてシリーズ完結。 前回の旅で自分が「何者であるか」を知ったタランは、エイロヌイ王女への求婚を決意するが、その矢先、ギディオン王子が死の王アーロンの手の者の襲撃に遭い、聖剣デルンウィンを奪われた上重傷を負った姿で、カー・ダルベンに辿りつく。いよいよアーロンとの最後の決戦が近いと悟ったギディオンとダルベンは、予言する豚ヘン・ウェンに予言させるが、その内容は謎に満ちていた。 死の国アヌーヴンとの大決戦のためにプリディンの諸国、自由コモットの義勇軍が終結するが、不死身や狩人を要するアヌーヴンの圧倒的な戦力の前に劣勢を強いられ、ついにカー・ダスルの城は陥落する。多くの犠牲も払われ、悲しみにくれるタランたちだが、アーロンに屈することは絶望を意味していた。果たして、プリディン軍は巻き返すことができるのか。 プリディン物語の完結変にふさわしい、手に汗握る展開と、悲痛な別れに何度か目頭が熱くなる。物語の最初からちりばめられていた謎がすべて繋がる大団円には胸のすく思いがする。古代ウェールズを思わせる神話的世界を舞台にしていながら、一人の少年の成長物語として、読者はタランの喜びや胸の痛みを共有するだろう。 子供向けに書かれたとはいえ、大人でも十分に心揺さぶられ得るものの多い作品。ディズニーが実写映画化するというので、しばらく絶版になっている本シリーズが、新装版として再刊されることを強く望みます。 個人的には、エイロヌイ王女のおてんばで勇敢で、ツンデレなところが大好きです。

Posted byブクログ