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ねしょんべんものがたり の商品レビュー

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2011/07/15

別の掲示板の話題で、昔はカエルをおねしょの薬にしていたという話が出てきて思い出した。昔、子どもの頃に読んだ、いろんなおねしょの話である。20数人の児童文学作家が、オムニバス形式でそれぞれのおねしょの思い出について語っている。編者の椋鳩十が子どもたちの劣等感を取り除き、心をほぐそう...

別の掲示板の話題で、昔はカエルをおねしょの薬にしていたという話が出てきて思い出した。昔、子どもの頃に読んだ、いろんなおねしょの話である。20数人の児童文学作家が、オムニバス形式でそれぞれのおねしょの思い出について語っている。編者の椋鳩十が子どもたちの劣等感を取り除き、心をほぐそうと呼びかけて書かれたもの。どれもユーモラスで懐かしく温かく、同時に子どもの頃の「途方に暮れた」感じを思い出させる。冒頭のカエルの話は、砂田弘「おねしょとカエル」に出てくる。その他、ヘビのたたりとおねしょにちなむ「またやったのか! おい! おちんちん!」(代田昇)、おねえちゃんになったその夜に、たった一度おねしょをする「ねえさまおねしょ」(北畠八穂)、何と女学生になってからのおねしょの話「大島こうろ」(岩崎京子)などが特に覚えていた話。うちの下娘には1,2年前に読んでやったが、おねしょをしなくなるおまじないとしてこいのぼりの中をくぐらされる「こいのぼりのおまじない」(佐々木悦)が印象に残っていたようだ。作家たちが子どものときの話なので、私が子どもの頃、すでに「昔のお話だなぁ」という感じだった。今の子どもが読むと、生活環境等が違いすぎて、理解しにくいところもあるかもしれない。今も昔も、おねしょする子は変わらずいるんだろうか。そして切ない思いをしていたりするんだろうか。かくいう私はおねしょっ子だった。だからきっと、母親がこの本を買ってきたんだろうなぁ、なんて思うのもちょっぴりおかしいようなほろ苦いような。読み返してみると、どの話も結構鮮明に覚えていることにまた驚く。それだけ自分もどこか「切実」な思いで読んでいたのかなぁ・・・。*本書はもう古書扱いのようですが、同じ童心社から、文庫版が出ているようです。

Posted byブクログ